7話 ページ10
男が走りながら後ろを振り返ったとき───誰かが足をスッと男の前に出した。
足を引っ掛けられた男が派手に転び、地面に倒れ込む。
何だ何だと男の周りに野次馬が集まってきた。
新一「ちょっとすみません」
蘭「通してください」
A「ごめんなさい」
男を追いかけてきた新一と蘭とAは、野次馬をかき分けて前に出た。
すると、倒れ込んだ男の前にジャージ姿の少女が立っていた。
少女のジャージの胸元には『杯戸』と刺繍され、その見覚えのある顔に、蘭は「あっ……」と声をもらす。
少女に足を引っ掛けられた男は立ち上がり、鋭い目つきで少女をにらんだ。
「……誰だ、テメ―!?」
陽奈「杯戸高校二年、和田陽奈!」
前髪をピンで留めてきりりとした眉と一重の目を際立たせた陽奈は、ひるむことなく堂々と名乗った。
(あの娘……)
陽奈を見ていた蘭とAに、新一が「おい、A!蘭!」と声をかけた。
新一「行くぞ!加勢しねーと───」
蘭「ううん、たぶん大丈夫」
新一「へ？」
新一はきょとんとした顔で蘭を見た。
Aも静かに陽奈を見つめる。
陽奈の前に立ち上がった男は「クソッ!」とポケットに手を入れた。
「邪魔しやがって……ただじゃおかねぇ!!」
男がポケットから出した折り畳みナイフをパチンと開く。
野次馬達が恐れて退く中、陽奈は「おっ」と目を輝かせた。
陽奈「ナイフ出したね、じゃあこっちも本気出しちゃおうかな」
背負っていたリュックを地面に下ろすと、半円を描くように右足を半歩踏み出し、足を八の字の形にして立った。
そして腰の高さでクロスさせた両腕を絞り上げて肩の位置で止める。
その独特な構えに、新一は目を見張った。
新一「……空手？」
蘭「うん」
蘭がうなずくと同時に、男はチッと舌打ちをした。
「オラァーー!!」
ナイフを突き出して突進してきた男を、陽奈はスッと横によけつつ、肘を直角に曲げた右腕でナイフを持つ男の腕をはじき飛ばした。
「うがぁ!!」
ナイフを落とした男が痛みにのけぞると、陽奈はすばやく左手を伸ばして男の襟首をつかみ、右足を払った。
背中から勢いよく地面に落ちた男をフフンと覗き込み、右拳を男の顔面に振り下ろした。
拳は男の顔面すれすれで止まり、恐怖で目をつぶっていた男が薄目を開ける。
陽奈「エイヤァ!!」
拳を引き戻して構えを取った陽奈は、ニッコリと微笑んだ。
陽奈「まだやる？」
顔面蒼白になった男が慌てて首を横に振る。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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麻衣(プロフ) - 初めまして！素敵小説ですね！名探偵の復活？のを書いて欲しいです！少年探偵達を庇ってコナンが撃たれるやつを夢主に変えて書いて欲しいです！ (2022年12月2日 15時) (
レス) id: c49397d242 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 初めまして。名探偵コナンの双子シリーズとても面白かったです。個人的に、新一と夢主の番外編など、興味があります！更新が大変なのは承知していますが時間があったら書いてください！それと、これからも頑張ってください！ (2021年4月7日 16時) (レス) id: d00b6205b3 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - コナンの映画大好きで押しキャラが新一とコナンと安室さんと怪盗キッドと蘭ちゃんとかずはちゃんと哀ちゃんが大好きです更新大変だと思うけど頑張ってくださいね (2019年8月28日 10時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - 初めまして。名探偵コナンの双子シリーズ、面白くてファンになりました。突然ですが、世紀末の魔術師は書く予定ですか?名探偵コナンの劇場版シリーズは大好きですが、世紀末が一番大好きなんです。もし書く予定があるなら、嬉しいのですが? (2019年5月27日 23時) (レス) id: 08f1ffe732 (このIDを非表示/違反報告)
ルミー - 絵凄いうまいですね！あこがれます！ (2017年9月28日 13時) (レス) id: 0e1938d8df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2014年11月10日 22時
