【名探偵コナン】双子は美少女で名探偵と怪盗!?

2話 ページ5

新一「サメと一緒だな……」

遺体を覗き込んでいる新一はぽつりと言った。

新一「血の匂いを嗅ぎ付けて現場に赴き、持てる感覚全てを使って犯人を割り出し、食いついたら相手が観念するまで証拠という鋭い歯を食い込ませる……それが探偵さ」

立ち上がって水中回廊のガラスに手をつく新一と蘭の頭を撫でながら新一を見つめるAの背後には、優雅に泳ぐサメの姿があった。





結局、新一とAはいつものように名推理で真犯人を言い当てて、この事件はすぐに解決した。
蘭達が水族館から出てくると、いつの間にか黒雲が立ち込めていて、遠くで雷鳴がゴロゴロ…と響いた。

新一「さすがにやめた方がいいだろ。殺人があった水族館で《ドッキリ再会ラブラブ復活大作戦》は……」

蘭「そ、そだね……」

そのとき、地面にポツンと雨粒が落ちた。

A「やばっ、降ってきちゃった」

蘭「え？ホントだ。じゃあ走って帰ろ!」

Aに続いて空を見上げた蘭が駆け出すと、「あ、ちょっと!」とAが声をかけた。

A「走るなって言ったでしょ？」

Aは水族館に来て事件に遭遇する前、蘭に『今日はもう走らないでよ』と言ったのだ。
手袋をして水族館に現れた蘭は、右手の手袋を口で外して、携帯電話を操作していた。
その姿を見て、Aは蘭が利き手の右手を負傷したと推理したのだ。
恐らく空手の稽古中に突き指でもしたのだろう。
となると、その指でブラジャーのホックをはめることはできない。
つまり、今日の蘭はノーブラということになる。
ノーブラで走ると胸が揺れまくって、胸を支えるクーパー靭帯が伸びてどんどん垂れてしまう。
だから蘭に『走るな』と言ったのだ。
しかし、理由も言わず『走るな』と言われた蘭は、わけがわからなかった。

蘭「だから何でよ？」

立ち止まって振り返った蘭は、怪訝そうにたずねた。
雨がどんどん降ってきて、蘭はパーカーのフードをかぶった。
すると、フードから何かがスポッと落ちた。

新一,A「あ······」

それは蘭の携帯電話だった。
地面に落ちた携帯が跳ねて転がり、側溝の格子状のフタの隙間にポチャンと落ちる。

蘭「ウソ!何でフードの中に携帯が入ってるの!?」

座り込んだ蘭が側溝のフタを覗き込むと、携帯は完全に水没していた。
新一とAがあっ……と気まずげに視線を合わせる。

新一「あ、悪い……。犯人がどこに携帯を入れて動画を撮ってたか考えてて、フードの中に入れたの忘れてたよ」

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