【名探偵コナン】双子は美少女で名探偵と怪盗!?

35話 ページ38

A「あなたは体操をやっている……他の女性ならともかく、バランス感覚の鍛えられたあなたなら、コースターの上でもこれくらいのことはできる!!」

新一はコースターを降りてAの隣に立った。
ひとみと対峙する二人の前に、礼子が飛び出した。

礼子「ちょっとあんたたち!いいかげんに───」

新一「ネックレスはどうしました？」

ひとみ「!!」

新一の言葉に、ひとみがハッと目を見開く。

新一「コースターに乗る前、あなたがその首に掛けていた真珠のネックレスですよ」

一同の視線が一斉にひとみの首元に向くと同時に、ひとみは首元を両手で隠した。

A「あなたはネックレスの紐をピアノ線に変え、それに取り付けたフックはそのバッグの中に隠していた……」

Aがひとみのショルダーバッグに目を向けると、礼子が「ちょっと待って!」と口を挟んだ。

礼子「今あんたたちが言ったやり方なら、岸田君の後ろに乗ってた、あの二人の方が簡単にできるんじゃない？」

とジンとウォッカを指差す。

新一「いいえ。彼等はいかにも怪しそうですが、犯人じゃない！」

礼子「どうして!?」

新一「何の目的でジェットコースターに乗ったかは知らないが、警察が来た途端、ここからすぐに離れたいといわんばかりに態度を急変させるのは変だ!もし犯人なら、こうなることはわかっていたハズですからね!」

礼子「………」

新一の言うことはもっともで、礼子はそれ以上反論することができなかった。

A「そう……犯人はわかってたんですよ、被害者が死ぬのを。だから、涙を流した……」

岸田の首が吹っ飛ぶ直前、トンネルの中で水のようなものが頬に当たったことをAは告げた。
水だと思ったそれは舐めてみたらしょっぱかった。
つまり、涙だ。

A「トンネルを出て、被害者が亡くなったとわかってから、ここに着くまでそんなに時間はかかってない…つまり、コースターに乗ってるうちに大粒の涙を流せるのは犯人以外にいない!」

礼子「じゃあ、あんた、ひとみがコースターの上で泣いてるのを見たって言うの？それが証明できる!?」

礼子は今も涙を流しているひとみを指差した。

A「彼女の涙が動かぬ証拠です」

礼子「え？」

A,新一「ジェットコースターにでも乗ってないかぎり、涙は横には流れないんですよ……」

新一とAに言われて、礼子達は首元を隠しながら泣いているひとみの顔を見た。

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