【名探偵コナン】双子は美少女で名探偵と怪盗!?

33話 ページ36

愛子「そ、そんな……」

涙を流した愛子がつかまれた腕を呆然と見る。
ジンとウォッカはバリケードテープが張られた出入り口へ向かった。

目暮「それから念のため、ジェットコースターに乗っていた他の方々の身元も確認させてもらいます!」

目暮の言葉に、バリケードテープをつかむジンの手がピクリと止まる。

目暮「問題はありませんな？」

目暮は背中を向けたジンとウォッカに言うと、ゆっくりと近づいていった。
トレンチコートのポケットに入れたジンの左手が動く。
するとそのとき、

A「待ってください、警部」

Aが呼び止めた。

目暮「……？どうしたね、黒瀬君」

目暮が足を止めて振り返ると、ジンはチラリと後ろを見た。
そして出し掛けた左手をポケットに収める。

A「犯人は、彼女じゃありません」

蘭「A……？」

目暮「黒瀬君……？」

自信に満ちた顔で断言するAに蘭や目暮達は目をパチクリさせた。

新一「このジェットコースターで、被害者の岸田さんを殺害した犯人は……あなただ!!」

新一は犯人を指差した。
愛子を連行しようとする千葉、蘭と高木、ジンとウォッカの背後に立った目暮、そして礼子が新一の人差し指が示す人物を振り返る。
涙を流していたひとみは、新一に指さされてハッと目を見開いた。

目暮「な、何だって!?」

新一に駆け寄った目暮が、まさかとひとみを見る。

ひとみ「……何言ってるのよ!愛子のバッグから刃物が出てきたのを見たでしょ!?」

ひとみが身を乗り出して愛子を指差すと、腰に片手をあてたAは肩をすくめた。

A「あんな物で、人間の首は切断できませんよ……特に女性の力ではね、それに、もし彼女が犯人なら、凶器を捨てるチャンスはいくらでもあったハズ!わざわざ布にくるんで、バッグの中に隠す必要なんてないですよ」

説明しながらゆっくりとひとみに近づいたAと新一は、力強い目を向けた。

新一「あれは、あなたが愛子さんに罪をなすりつけるために、あらかじめあの人のバッグの中に入れておいた物なんじゃないんですか？」

ひとみ「バ……バカなこと言わないで!!」

ひとみは涙を流しながら叫んだ。

ひとみ「私の乗ってた席は、死んだ岸田君の前よ!その私にどーやって岸田君の首が斬れるっていうの？だいいち、あなたが今言ったじゃない!女の力じゃ切断なんてできないって……」

両拳を握って抗議するひとみに、新一とAは目を合わせてフッと笑みをもらした。

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