【名探偵コナン】双子は美少女で名探偵と怪盗!?

32話 ページ35

座席図を見た目暮は、うむ…と考え込んだ。

目暮「しかし、そうなると全員セーフティーガードをして身動きがとれなかったのだから、殺害できたのは被害者の隣に座っていたCだけとなるが……いや、後ろの男性にも可能か……」

あごに手を当てて考えている目暮の後ろに、ジンがやってきた。

ジン「おい、早くしてくれ!俺達ゃ、探偵ゴッコに付き合ってるヒマなんかないんだぜ」

ウォッカ「ア、兄貴……」

警察に堂々と文句をつけるジンに、ウォッカがうろたえる。

目暮「申し訳ない、もうしばらくお付き合いください」

立ち上がってジンと向かい合う目暮の横で、新一とAはジンを見上げた。
深く被った黒い帽子から覗いたその冷酷な目に、二人の背筋がゾクリとした。

(何だ……コイツの凍り付くような目は!!まるで、平気で何人も殺してきたような目だ……!!)

(この人たち、何なの……!?)

全身黒ずくめの格好といい、およそ遊園地には似つかわしくない男だ。
コイツは一体何者なんだ───と二人がジンから目を逸らせずにいると、

千葉「目暮警部!」

千葉の呼ぶ声がした。

目暮「どうした、千葉君？」

目暮とジンが振り返り、Aも新一の手に引かれて立ち上がる。

千葉「この女性のバッグからこんな物が!」

千葉は愛子のバッグから布に巻かれた血のついた包丁を取り出した。

愛子「う、うそ……知らないわよ!そんな物!!」

一歩下がった愛子は、首を横に振った。
そばにいたひとみが愕然と愛子を見る。

ひとみ「あ、愛子……何でそんなことしちゃったのよ……」

愛子「ち、違う!私じゃない!!」

ひとみ「岸田君とうまくいってたと思ってたのに……何で……」

愛子「信じて!!私じゃないの!!」

互いに涙を流すひとみと愛子に、新一とAは厳しい目を向けた。
愛子の頬に伝う涙が落ちて、首に巻いたチョーカーの石を濡らす。

ウォッカ「おらおら、犯人はそのアマで決まりだ!早く俺達を帰してくれ、刑事さんよ!!」

ウォッカが愛子を指差して叫ぶと、ジンはフッと笑った。
乗り場の出入り口で粘っていた客達が、なーんだとガッカリする。

「思ったより簡単に犯人が見つかったわね」

「俺もあの女がクサイと思ってたぜ」

「恋人同士のケンカが原因かぁ。女は怖いね……」

客達の前で考え込んでいた目暮は、うむ…とあごを引いた。

目暮「よーし、その女性を容疑者として連れていけ!!」

目暮に指示されて、千葉は愛子の左腕をつかんだ。

千葉「では、こちらに」

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