【名探偵コナン】双子は美少女で名探偵と怪盗!?

27話 ページ30

そして、頭の中にタキシード姿の自分とドレス姿のAが浮かぶ。




新一『A……これからもずっと大切にするから…愛してる……』
A『新一…うれしい……』

新一は頬を赤く染めるAの肩を引き寄せた。
二人の唇が徐々に近づいていく───。




A「……新一……新一!!」

Aの呼ぶ声が大きくなって、新一はハッと目を開けた。

A「新一、早く!」

蘭「何してるのよ、もぉ」

気づくと列が動き出していて、A達は前に進んでいた。
キスをしていた岸田と愛子も新一を追い越して歩いている。

新一「お、おう……」

新一はボーッとする頭を奮い立たせてAと蘭を追った。





ようやくコースター乗り場までたどり着き、蘭とAは係員に促されて前から二番目の位置に並んだ。
その時、一人列から外れる新一に気付いた蘭が目を向ける。

蘭「あれ。新一、乗らないの？」

新一「あ、あぁ。ちょっと疲れたからここで待ってるよ」

A「え〜？あんなに元気そうだったのに？」

怪訝そうにするAに新一は苦笑いをすると、蘭にこっそりと耳打ちをした。

新一「蘭。今回だけA、譲ってやるよ」

蘭「え……？」

新一「ま、オレからの優勝祝いってやつさ！ありがたく受け取っときな」

本当は新一だってAと乗りたいはずなのに…わたしのために───？

蘭は新一の言葉に目を見開いた。

新一「だけど今回だけだからな。次は絶対ぇオレがAと一緒に乗るから!」

蘭「……ありがとう」

嬉しそうに頬を染めて笑顔を見せた蘭に新一も頷くと、列から離れた。

A「新一、本当にいいの？」

新一「おう。オレ、ここで待ってっから」

手をヒラヒラと振る新一を疑いの目で見るAだったが、隣にいる蘭が嬉しそうにしているのを見て、仕方ないとため息をついた。

「お疲れさまでした〜」

係員が戻ってきたコースターのセーフティガードのバーを上げ、客が左へ降りると、一番目の位置に並んだひとみと礼子がコースターに乗り込んだ。

A「じゃあ、そこで待っててよ新一」

新一「おう」

ひとみと礼子の後ろに乗り込むAに続いて蘭も乗り込もうとして、新一に視線を向けた。

蘭「ありがとう、新一」

その言葉に新一が笑みを浮かべて頷くのを確認して蘭も乗り込んだ。

A「それでさ、そのときホームズは……」

ホームズの話を再び始めるAの後ろに岸田と愛子が乗り込むと、係員が先頭にいた二人組の男に声をかけた。

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