【名探偵コナン】双子は美少女で名探偵と怪盗!?

18話 ページ21

いつの間にか車椅子から立ち上がり、ギプスをはめた足でしっかりと立ってしまっている───……!
床に転がった地球儀を拾った新一はニヤリと笑った。

新一「鈴木邸でアンタに会ったとき、見ちまったんだよ!誤作動を起こした車椅子を止めようと、アンタがその足で踏ん張るのをな!」

A「もうとっくに治ってるんでしょ？その足」

瀬羽「……ク、クソォ!」

まんまと見破られた瀬羽は、ギプスをはめた足で勢いよく走り出した。

目暮「ま、待て!!」

目暮が慌てて追おうとすると、新一が地球儀をポンと投げた。

新一「逃がすかよォーー!!」

サッカーボールに見立てた地球儀を力いっぱい蹴ると、瀬羽の後頭部に見事命中して、無様に大理石の床に倒れた。

新一「ゴーール!!」

と新一はガッツポーズを取った。

A「ナイスシュート!」

Aも笑みを浮かべて拍手を送る。
瀬羽が高木と警官に連行されると、目暮は二人に歩み寄った。

目暮「いや〜、また君たちの力を借りてしまったなぁ、工藤君、黒瀬君」

二人は「いえいえ」と首を振り、新一がピッと親指で自分とAを指した。

新一「また難事件があれば、この名探偵工藤新一と黒瀬Aにご依頼を！」





『高校生探偵 また事件解決!!』


翌朝の新聞の一面には、殺人事件の経緯と共に決め顔の新一と笑顔のAの写真が大きく掲載された。
学校帰りの新一は、その新聞記事を片手に商店街を歩いていた。
フフフ…と自然に笑いが込み上げてくる。

「ねぇねぇ、聞いた〜？あの高校生探偵たち、またお手柄なんだって!」
「うん、すごいよね〜!」

本屋で雑誌を立ち読みしている女子高生の会話が聞こえてきて、新一はフッフッフッ…とほくそ笑んだ。
さらにニュース番組でも事件が取り上げられ、電気店に展示されたテレビには新一とAの顔写真が大きく映っていた。

『彼らこそがまさに日本警察の救世主と言えましょう!!』

コメンテーターの言葉に、ついに新一はハッハッハ…と高笑いした。
するとそのとき、後頭部と背中にバフッと何かが直撃した。

新一「いたたた……何すんだよ!」

よろけた新一が振り返ると───帯で縛った道着を持った蘭とエナメルバッグを斜め掛けにしたAが立っていた。
後頭部と背中にぶつかったのは、蘭の道着とAのエナメルバッグだったのだ。
ちなみに何故Aがエナメルバッグを持っているのかというと、昨日の放課後バスケ部の友達に頼まれてバスケ部に顔を出していたからだ。

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