12話 ページ15
新一の家に戻った蘭はダイニングキッチンで自分の財布を見つけると、建物の裏手にある書斎に向かった。
蘭「……A?新一?」
扉を開けて中を覗き込むと、奥にあるデスクセットで新一は本を読んでいた。
その前でAはデスクに腰掛けて本を読んでいる。
蘭は部屋を見回しながらデスクに近づいていった。
二階まで吹き抜けになった円形の書斎には、壁全面に造り付けられた本棚がドーム型の天井近くまで伸びていて、大量の本やスクラップが収められている。
蘭「それにしても、すごい本の数よね、それも推理小説ばっかり!これだけ読破したからこそ、新一とAのお父さん、世界的なミステリー作家になれたのね……新一とAはただの推理バカになっちゃったけど」
新一「うっせ〜な!」
A「余計なお世話!」
本から顔を上げた二人は蘭をジロリとにらんだ。
Aの家にも同じように本がたくさんあるが、それは推理小説だけでなく、マジックの事に関してのモノも多かったりする。
推理小説はAが読み、マジック関連の本は梨沙が読破している。
Aもマジックの本は読んでいるのでできないわけではないのだが、それでもマジックの腕は梨沙の方が上だった。
蘭「その上、お母さんがあの伝説の美人女優、藤峰有希子と桐山沙月なんだもん、うらやまし〜」
桐山とはAと梨沙の母親の旧姓である。
新一「んないいもんじゃねーぞ……」
新一がぼそりと言うと、Aはデスクに片手をついて振り返った。
A「新一の初恋の相手って有希子さんでしょ?」
新一「ち、ちげーよ!」
新一はクルッと椅子を回してAと向き合った。
A「ハッ…まさかお母さん……?」
新一「何でだよ!」
A「じゃあ誰なのよ?」
新一「……オ、オレの初恋の相手はだなぁ……」
新一が椅子の背もたれに寄りかかってそっぽを向くと、Aはさらに覗き込んだ。
蘭は楽しそうに二人の様子を眺めている。
A「相手は?」
新一「初恋の相手は……」
新一は言いながら、保育園に入る前に両親の紹介でAと出会ったときのことを思い出していた。
「はい!これあげる!!よろしくね、新一君!」
お母さん譲りのマジックでお菓子をくれたときのAの笑顔。
最初に出会ったあの日からその笑顔にゾッコンだったってこと、Aは知らない。
今、ここで本当のことを言ったら、Aはどんな顔をするだろう───。
新一はドキドキしながら、Aをチラリと見た。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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麻衣(プロフ) - 初めまして!素敵小説ですね!名探偵の復活?のを書いて欲しいです!少年探偵達を庇ってコナンが撃たれるやつを夢主に変えて書いて欲しいです! (2022年12月2日 15時) (レス) id: c49397d242 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 初めまして。名探偵コナンの双子シリーズとても面白かったです。個人的に、新一と夢主の番外編など、興味があります!更新が大変なのは承知していますが時間があったら書いてください!それと、これからも頑張ってください! (2021年4月7日 16時) (レス) id: d00b6205b3 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - コナンの映画大好きで押しキャラが新一とコナンと安室さんと怪盗キッドと蘭ちゃんとかずはちゃんと哀ちゃんが大好きです更新大変だと思うけど頑張ってくださいね (2019年8月28日 10時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - 初めまして。名探偵コナンの双子シリーズ、面白くてファンになりました。突然ですが、世紀末の魔術師は書く予定ですか?名探偵コナンの劇場版シリーズは大好きですが、世紀末が一番大好きなんです。もし書く予定があるなら、嬉しいのですが? (2019年5月27日 23時) (レス) id: 08f1ffe732 (このIDを非表示/違反報告)
ルミー - 絵凄いうまいですね!あこがれます! (2017年9月28日 13時) (レス) id: 0e1938d8df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2014年11月10日 22時