【名探偵コナン】双子は美少女で名探偵と怪盗!?

11話 ページ14

瀬羽夫婦を乗せたロールスロイスが鈴木邸から出て行くのを新一とAは応接間の窓から見下ろしていた。

史郎「工藤君？黒瀬さん？どうかしたのかな」

史郎に声をかけられた二人は、窓から目を離した。

新一「いえ、何でもないです」

蘭「うわ〜♪これいいです!」

蘭の楽しげな顔が聞こえてきて新一とAと史郎が振り返ると、空手道着を羽織った蘭の後ろで朋子が満足そうに微笑んでいた。

朋子「我が鈴木財閥の繊維メーカーが新開発した超軽量素材を使っているのよ」

史郎「それに袖を少し細身にしているから、だぶつかず動きやすいんだ…こう見えて私は格闘技マニアだからね」

満足げに説明した史郎は、ガッツポーズを取った。

蘭「でも、本当にいいんですか？」

遠慮がちに言う蘭に、園子は「いーのいーの」と勧めた。

園子「実はわたしもちょ〜っとだけデザインに参加してんのよ〜」

蘭「そうなの？」

園子「うん♪カリスマデザイナー・園子様と呼んで〜ん」

園子はそう言ってにんまりした。
実は、その道着の後ろ襟には《A♥️LOVE》と赤い糸で刺繍がしてあるのだ。

園子「その道着があれば、優勝間違いなし♪さっすがLOVEパワー〜」

蘭「あ、それが……」

園子「何？どした？」

蘭の浮かない顔に園子がたずねると、Aが口を開いた。

A「その道着は試合じゃ使えないんだよ」

史郎「何？ホントかね」

史郎が驚いてAを見る。

A「ええ、大会ごとに道着にも規定があるんです」

蘭「ごめんね、園子…でも、これ着て稽古頑張るから……」

園子「ま、しゃーないか…その代わり、優勝しなかったら承知しないわよ!」

蘭「お母さんもすみません」

蘭が頭を下げると、朋子は「いいわよ」とニッコリ笑った。

朋子「わたし達は応援に行けないけど、頑張ってね」

蘭「ハイ!」

蘭は力強く頷いた。





蘭と新一とAが鈴木邸を出る頃には、日が暮れて空が茜色に染まっていた。

新一「結局、携帯買いそびれちまったな」

蘭「そだね……」

新一とAと並んで歩いていた蘭は、三叉路の前で立ち止まった。

蘭「じゃあわたし、夕飯の買い物して帰るから」

A「うん、携帯はまた今度ね」

蘭「うん、じゃあ」

新一「気ィつけてな」

小走りで三叉路を曲がった蘭は、突然「あ〜〜〜!!」と叫んだ。
そしてすぐに二人に駆け寄ってくる。

蘭「新一ん家にお財布忘れてきちゃった!」

新一「……ったく」

A「ハハ……」

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