8話 ページ11
すると野次馬から喝采が起こり、陽奈は拳を収めた。
新一「へぇ〜、結構強そうだな、あの子……」
感心する新一の横で、蘭は「ううん」と軽く首を横に振った。
蘭「強そうじゃなくて、強いよ……彼女……」
A「だろうね」
静かに見ていたAも蘭の言葉に同意するように頷く。
同じ空手をやっている蘭と武道が得意なAには、陽奈のレベルの高さが容易にわかった。
やっぱりあの子、相当強い───。
「……それは空手道を極める上で、避けては通れない生涯のライバルとの初遭遇……毛利蘭、16歳春のことであった……」
その声に蘭が驚いて振り返ると、いつの間にか親友の鈴木園子が立っていた。
蘭「園子……!」
園子「……なんてね」
蘭「なに勝手にナレーションつけてんのよ!まだ全然春じゃないし!!」
園子「いーじゃん!雰囲気よ、雰囲気」
いたずらっぽく笑う園子に、蘭は不満そうに口をとがらせた。
蘭「それに初遭遇ってわけでもないし……」
園子「何だ、知り合いかぁ」
A「試合で会ったことあるの?」
Aの言葉に、蘭は「うん」とうなずいた。
杯戸高校空手部の和田陽奈とは、空手大会の準決勝辺りでよく当たるのだ。
園子「んなことより蘭!ちょっとウチ来て!!」
蘭「でも、わたし達これから……」
蘭が断ろうとすると、園子は蘭の手をグイッと引っ張った。
園子「デートなんかいつでもできるじゃん!行こ行こ!」
蘭「ちょ、ちょっと園子ォ……」
強引に引っ張られていく蘭を見て、新一とAは顔を見合わせるとやれやれと肩をすくめ、手を繋いで二人の後に続いた。
園子「たっだいま〜〜」
鈴木邸を訪れると、吹き抜けの天井から豪華なシャンデリアが吊り下がった玄関で執事が待ち構えていた。
「お帰りなさいませ、園子お嬢様」
園子「さ、入って入って」
蘭「お邪魔します」
園子に続いて入ってきた蘭と新一とAを見て、執事が頭を下げる。
「いらっしゃいませ、毛利様、工藤様、黒瀬様」
園子は応接間に続く廊下を歩いていき、蘭も後に続いた。
新一も廊下に飾られた高そうな絵画や美術品を見ながらAの隣を歩く。
園子「今日はね、北海道からお取り寄せした『プルふわチーズタルト』があるのよ〜」
蘭「えっ!あの予約が3か月待ちの!?」
園子「そっ!一緒に食べよ」
蘭「食べる食べる!」
盛り上がる二人の後ろから、新一とAが「いいの/かよ?」と口をはさむ。
新一「大会前だってのに、そんなの食べて…」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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麻衣(プロフ) - 初めまして!素敵小説ですね!名探偵の復活?のを書いて欲しいです!少年探偵達を庇ってコナンが撃たれるやつを夢主に変えて書いて欲しいです! (2022年12月2日 15時) (レス) id: c49397d242 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 初めまして。名探偵コナンの双子シリーズとても面白かったです。個人的に、新一と夢主の番外編など、興味があります!更新が大変なのは承知していますが時間があったら書いてください!それと、これからも頑張ってください! (2021年4月7日 16時) (レス) id: d00b6205b3 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - コナンの映画大好きで押しキャラが新一とコナンと安室さんと怪盗キッドと蘭ちゃんとかずはちゃんと哀ちゃんが大好きです更新大変だと思うけど頑張ってくださいね (2019年8月28日 10時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - 初めまして。名探偵コナンの双子シリーズ、面白くてファンになりました。突然ですが、世紀末の魔術師は書く予定ですか?名探偵コナンの劇場版シリーズは大好きですが、世紀末が一番大好きなんです。もし書く予定があるなら、嬉しいのですが? (2019年5月27日 23時) (レス) id: 08f1ffe732 (このIDを非表示/違反報告)
ルミー - 絵凄いうまいですね!あこがれます! (2017年9月28日 13時) (レス) id: 0e1938d8df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2014年11月10日 22時