ep3.照/佐久間side ページ8
俺がBrillerで暮らし始めて数ヶ月たった頃かな、
初めて照と出逢ったのは。
その日のレッスンを終えて、バスで家へ帰ろうとした時だった。
駅のベンチに座って俯いている男の人を見かけた。
寝ているだけかもしれないけど、彼はなにか喪失感のようなものに纏われてるように感じた。
ガタイも結構いいからちょっと怖さはあったけど、
俺の性格上困ってる人見ると黙ってられない。
｢あの…大丈夫、ですか？｣
照｢……え？｣
｢あっ、突然すみません。とても辛そうな表情してたのでつい…｣
照｢あぁ、俺…いや、俺の…｣
俺の？
彼女がいなくなったとか、？
家族が亡くなったとか、？
なにか不味いこと聞いてしまった気分になった。
照｢お気に入りのタピオカ屋さんが閉店したんです…｣
｢………へ？｣
｢え、タピオカ、？｣
照｢はい、俺大好きで…｣
｢ふっ、ぁはははは、！｣
照｢ちょっ、笑わないでください、！｣
｢ごめんなさい笑
予想の答えと360°違ったので、笑｣
照｢360°だと戻っちゃいますよ？｣
｢…あ｣
照｢、ふっ笑｣
｢あ、笑った！｣
俺と同い年くらいの彼の笑顔は、
ふにゃふにゃとした愛らしい顔をしていた。
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作者名：莉 | 作成日時：2020年4月11日 9時
