幸せの街。~past~ (ページ21)

今日:44 hit、昨日:35 hit、合計:349,835 hit

VI/翔太side(修正有) ページ21

･

俺は涼太の家で学生生活を過ごした。

他人の子を引き取った上、12年間の学費を何食わず顔で出してくれた涼太の両親にはほんとに今でも頭が上がらない。

｢翔太は息子のようなものなんだから。何も遠慮することないよ｣

って、俺が申し訳なくする度に優しい顔でそう言ってくれた。

だけど、俺の体と心は小さい頃よりさらに弱くなった。

朝は毎日貧血を起こすし、無理をすればすぐに体が熱を発した。

大人と話そうとすると、嫌でも思い出すんだ。

体が震えだして、呼吸も早くなって。

まともに喋れる大人なんて、
お父さんお母さん、保健室の先生、担当医くらいだった。

それでも変わろうと思ったんだ。
これ以上涼太家族に支えてもらってばかっじゃ、いつか見放されるんじゃないかって。

そんな俺に涼太は言ってくれた。

涼｢翔太、無理しないでいんだよ。翔太が辛い記憶に
苦しめられなくなるまで、俺が隣にいるから。
絶対離れないし離さないから。

大丈夫だよ｣

その言葉に救われた。

自分のペースでいいんだって。

涼太は言葉通りずっとそばにいてくれた。

家でも学校でも。

体調を崩せば一日中寄り添ってくれて、

学校では休み時間になる度に｢しょーた｣ってわざわざ俺のクラスまで来てくれた。

おかげで同級生とは少しずつ関われるようになったし、学校へ行くこともそこまで苦痛じゃなくなった。

涼太がいてくれたから、学生生活を乗り越えられた。

涼太は2年制の製菓専門学校を卒業した後、ある洋菓子屋さんで修行を積んでいた。

俺は進学せず、在宅ワークを淡々とこなす日々。

だけど、このままじゃダメ。

涼太の人生があるし、涼太にはちゃんと夢もある。

それを俺の手で邪魔することだけはしたくなかった。

｢俺、今年でこの家出るね｣

･

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
なんか歳とかのズレがあったので修正しました！
あのままじゃゆり組2人とも、ふっか達とかなり歳離れてしまうとこだったので笑