IV/涼太side ページ19
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『翔太パパが逮捕されて、翔太が病院に運ばれた』
母さんが焦った様子で俺に言った。
5歳でも、その重大さは理解出来た。
「しょ、た……?」
母「ッ、翔太、!なんで…こんなっ」
久しぶりに見た幼馴染の姿は、変わり果てていた。
元々細かった体はさらに痩せて頬も痩けて、
服の隙間から見える体は至る所が紫色に変わっていた。
生まれた時から見ている俺の両親も、その姿に唖然とした。
『全身の暴力痕、腕の煙草の痕。栄養失調。
あと、タバコの煙を吸ったのか肺炎になっていて
予断が許せない状況です。』
医者がそう言った。
意味は理解出来なかったけど、咄嗟に翔太の手を握った。
前はぎゅっと握り返してきたのに、握り返すどころかその手は酷く冷たくて、離したら消えてしまいそうだった。
母「涼太、翔太のことはママが見てるから、もう今日
はパパと帰りなさい」
「やだっ、翔太と一緒にいる、離しちゃ、ッだめ…」
父「翔太が起きた時、涼太がそーんな顔してたら翔太
が不安になるだろ?翔太のためにも、涼太はちゃ
んと家で寝て元気でいないと」
「でもッ…」
父「明日また、連れてきてあげるから、な?
だから元気いっぱいの涼太で会いに来てあげよ?」
「ん…わかった…ママ、翔太の手…離しちゃだめだよ」
母「もちろん、おやすみ涼太」
「おやすみ、ママ」
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作者名:莉 | 作成日時:2020年4月11日 9時