第十戦:楽園のハイテンションギャル 千歌 ページ37
決闘の最中、気が付けば千歌は吹っ飛ばされていた。
会場中の人間が、ざわり、と戦慄く。現状を理解するのに苦労するが、ディアボロを相手に一々考えていては埒があかない。とにかく意識だけは飛ばさないように、と千歌は気合を入れ直す。
「おいで、マルミアドワーズ!」
突き出された千歌の手の上に現れたのは、千歌の身長程もある大剣だった。
―――その名はマルミアドワーズ。火の神であるヘパイストスがギリシャの大英雄ヘラクレスの為に鍛えた剣であり、エクスカリバーすら凌駕する宝剣である。これがアーサー王の手に渡った事により、エクスカリバーはアーサー王の手から離れた。
尤も、これは本命の攻撃ではない。百年ばかりの研鑽は積んできたものの、千歌は剣戟があまり得意ではないからだ。マルミアドワーズでディアボロの意識を逸らし、その隙を宝剣の雨で突くというのが本筋である。
「まぁーたデッカい剣なんて出しちゃって。たまには自分の拳で戦ってみたらぁ?……ま、巨大武器にロマンがあるのは認めるけど。よーっしじゃあディアちゃんも武器使ってみよっかな!」
実に呑気な調子で言うディアボロは、掲げた右手に大きな槍を生み出した。禍々しい黒のオーラを纏ったそれは、触れただけでも大ダメージを負うであろう事は想像するに堅くない。ディアボロは目を細めて槍を構えると、凄まじいスピードでそれを投げる。
「―――ッ、アイアス!」
剣を持っていない方の手で、千歌は盾を展開した。現実世界でFa◯eをこ存知の方ならお馴染み、
「ひゅう、綺麗な七枚の花弁。アイアスの盾―――つまり
「何言ってんのアンタ。無駄口叩いてていいん?行け、天の鎖!」
千歌が言うと、ディアボロの元へと金色の鎖が伸びていく。ギルガメッシュ叙事詩において
「はは、中々やるじゃん。でも、こんなので私を殺れるって?舐められたもんだねぇ……」
ディアボロが目を細め、口角を吊り上げる。すぐそこまで接近していた千歌は、確かに不穏な気配を感じ取っていた。
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さっき(プロフ) - 15巻作らせて頂きました! (2022年12月7日 14時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新しました!あとお話がいっぱいになったので、15巻作りますね! (2022年12月7日 14時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新します! (2022年12月7日 13時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (2022年12月7日 11時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します (2022年12月7日 11時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他10人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2022年11月2日 16時