*2* ページ11
『えーっ!ろんさんめっちゃ可愛いです!』
「な、何言ってるのよ」
『可愛いです!すっごく可愛い!』
Aちゃんはキャッキャとはしゃぐ。
既に酔っているのではないかというほどの勢いだ。
「で、でも、あのね、Aちゃん、そういう女って…重いとか、思われない?」
『そうですかね…?私がろんさんの恋人だったらすっごい嬉しいと思いますけど』
「まあ…まふくんなら喜びそうよね」
ふとAちゃんの彼氏の名前を出すと、今度はAちゃんの顔が朱に染まった。
彼女はあたふたしながらもちょっと俯いて、『…た…たぶん…』と呟く。
まふくんの溺愛っぷりは変わらないらしい。
『と、とにかく!全然重くないですよ、連絡してみたらどうですか?』
「えっ、そ、それは・・・そらるも仕事があるだろうし」
『四六時中仕事なわけじゃないですよ。ね?』
私はあいまいに頷いて、Aちゃんの顔の真剣さに気づく。
思わず笑い出すと、Aちゃんもつられて笑った。
*
「ごめんなさいね、結構拘束しちゃって。シェアハウスまで送っていきましょうか?」
『いえ、大丈夫です!まだ9時ですし。すっごく楽しかったです』
居酒屋の前でAちゃんにそう声をかける。
私はここから電車に乗ればいいが、Aちゃんは徒歩だ。少し心配でもある。
…すると。
「Aー!」
Aちゃんの名前を呼ぶ声が聞こえて、私たちは同時に振り向いた。
私たちの前の道路にバイクが停まる。
Aちゃんが、『あ』と小さく声を漏らした。
…これは、もしかして。
私の予想は当たったようで、ヘルメットを外して出た顔はまふくんの整ったそれだった。
「A、迎えに来たよっ」
『え!?まふくんどうしてここだって分かったの?』
不思議そうに聞くAちゃん。正直私も同じことを思っていた。
すると、彼は甘く微笑むと。
「Aがどこにいるかくらい分かるよ…って言いたいとこだけど。スズムさんに教えてもらったんだ」
『スズムさん?』
「あー…そういえばお店出るときにLINEでそんな会話してたかしら」
私がそういうと、まふくんはこくこくと頷いた。
706人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆづほたる - 更新ありがとうございます!!一番好きな天月さんの番外…めっちゃ嬉しいです;;さやえんどうさんの書くちょっと腹黒い天月さんが好きです!お相手は夢主ちゃんと全く違うタイプの女の人だけどどうなるんだろう… お忙しいと思いますが、続き楽しみに待ってますね〜! (2018年2月1日 0時) (レス) id: 6489e789b8 (このIDを非表示/違反報告)
まこと - お久しぶりです、更新ありがとうございます!番外編もっとみたいなーとずっと思っていたのであたらしく天月くんのお話が読めて嬉しいです…!他にも書く予定があるようであれば、大人になったみんなが集まって久々に同窓会みたいなのとか見てみたいです…(( (2018年1月28日 1時) (レス) id: 198b5f1113 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロメロディ―。(3人目)@ついった(プロフ) - お久しぶりでございます!更新も、主人公が当時推してた天月さんなのも本当にうれしいです。ありがとうございます、若返ります(^-^)月9な天月さん楽しみです~!! (2018年1月21日 16時) (レス) id: f70edfb1d2 (このIDを非表示/違反報告)
ハル@チョコレート食べたい系女子(プロフ) - 更新ありがとうございます! お久し振りの更新、とても嬉しいです! 天月さんの月9のような恋愛、とのことでとても楽しみにしてます! 作者さんのペースでゆっくり頑張ってください! (2018年1月21日 16時) (レス) id: 0930a1d22b (このIDを非表示/違反報告)
夢羽(プロフ) - お久しぶりです!!三年前の当時からずっと読み続けさせていただいてます!!やっときました天月さんにスポットが!!と凄く楽しんで読まさせていただきました!続きが凄く楽しみです!ご無理のない範囲で頑張って下さい!応援してます! (2018年1月20日 23時) (レス) id: 3004edeb5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ