続 》彼女もペットじゃないって知ってます？【夏油傑】[完]

17・伝えたい ページ34

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目覚めるとやっぱり夏油さんはいなくて。
スマホをみると７時。

私もそろそろ起きようかな、とベッドから降りた。



リビングに行くと夏油さんが朝食を準備していた。



『体調はどう？』

「熱も下がりましたし大丈夫ですよ!!」



２日間お世話になりました、と頭を下げる。


体調も戻り、
結局週末を潰しただけで仕事に支障は来さない事に安堵しながら出勤準備を進めた。


乗りなさい、と有無を言わさず車に放り込まれ会社へ。


帰ったら話があるから、と
言われればあの事(・・・)ですよね、と
小さく息を吐く。


何話しても呆れられるに決まってるのに。
私今日残業にならないかな〜





‥なんて私の願いがかなう筈もなく。


有能な新支社のメンバー達の仕事ぶりに感心しながら定時で退社できる流れに



(普段なら喜びながら舞うのにな‥)



これから自分のアホさを晒さなければならないのか、と半ば諦めながら帰宅の準備をした。



「スーパー寄って帰りますね」

『うん、19時には帰るよ』



一足お先に会社を出た。
適当な食材を買ってご飯を作り
夏油さんの帰りを待った。





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普段と変わらない雰囲気で帰宅した夏油さん。

ご飯を食べ、順番にお風呂も済ませた。

ソファで寛ぐ彼の隣へ意を決して向かう。

こういうのは、
ちゃんと自分から言わなきゃだよね。



「改めて、ご迷惑をおかけしまして‥」

『迷惑だなんて思ってないからさ、』



説明してよ、と
絡められた指先を見つめながら私は話した。



「夏油さんは私と、その‥キス、以上したくないのはなんでだろうって考えたんです。そしたら私、寝坊するし髪ボサボサだし、部屋着可愛くないし、ネイルとかも最近サボってて、忙しいとか理由にしてたし、それに少し太ったし」

『うん、』



目線を落としていても
夏油さんが私をじっと見つめているのがわかる。



『それで私、同棲とかした事ないから気付いても無かったんですけど、そういえば夏油さん最近スキンシップ‥とか、してくれなくなったな、位にしか最初思ってなかったんですけど。無意識に女子力ないような事ばっかりしてたなって思ったら、その‥怖くなっちゃって』

『‥なにが？』

「夏油さんに、“残念な子”って思われて、捨てられたらどうしよう、って‥」



言いながら無意識に指先に力が籠った。





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