続 》彼女もペットじゃないって知ってます？【夏油傑】[完]

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今日も私は朝からベッドの上です。


少し過保護な夏油さん。
正確にはベッドから動くことを許されていません。





でも
手厚い看病のおかげて晩ごはんはダイニングで食べられる程
元気になった。


さっぱりしたかったからお風呂にも入って
出るのを見計らった夏油さんに
髪も乾かしてもらって。


体が温かいうちに布団入って！と再び
彼のベッドに押し込まれてます。



(一日中横になってたから
　あんまり眠くないなぁ‥)



キッチンから食器を片す音。
早く来ないかなぁ、と
スマホをいじりながら待ってみた。


お風呂から上がった夏油さんがドアを開けた。



『あれ？まだ寝てなかったの？』

「はい、なんだか眠れなくて」

『そう』

「今日もお仕事、するんですか？」



頭にタオルをかけた夏油さんと目が合う。



『今日はお昼にだいぶ出来たからね』

「じゃあ‥」

『もう寝るよ』



トクン、トクン、胸が高鳴る。

こんな事言ったら困らせるかな。
でも、、



「あの、今日も隣で、
　添い寝してもらえませんか‥」

『え？』



病気のときは人肌恋しくなるっていうじゃない？
決してそういう訳ではないけど、


そういう言い訳でもしないとこんな言葉
恥ずかしくて言えるはずもない。


それに、昨日抱きしめられて
彼の匂いと温度に包まれて
安心して眠れたのは本当で。

添い寝だけでもしてもらえないかなぁ、なんて__



ちら、と彼を見ても



一点を見つめ固まったあと、
頭をガシガシ乾かす夏油さんの顔が見えなくて



あ、やっぱり迷惑だったかな。
調子乗りすぎた、よね。



「‥あ、ごめんなさ『いいよ』‥!?」

「本当ですか。嬉しい‥」

『ｯｯ‥』



ギシ、とベッドに上がる夏油さん。
広いダブルベッドの半分に寄ってみた、のに



『何してるの』

「へ？狭いかと思って寄ってみました」

『ダメだよ「ｯｯわ、」ふぅ‥』

「あ、あの、そ、そそ添い寝では」

『こうじゃないの？』



ちょっと乱暴に硬い胸に顔を埋められる。
身動きは出来ないけど‥温かい。



「夏油さん？」

『こっち見ないで早く寝る』



どうしたんだろう。
それでもやっぱりその腕の中は心地よく



「落ち着きます‥おやすみなさい」

『ん、おやすみ‥』



脳に響く声が眠りを誘い、
ゆっくりと意識を手放した。





****
**



『酷いナマ殺しだな‥』

夏油の苦笑交じりの呟きがAに届く事はなかった




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