38・負の連鎖 ページ38
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-夏油side-
わたしの身体の下に大人しく収まる彼女。
優しく甘やかすのも好きだけど、わざと虐めてもっと恥ずかしがる顔も見たくなる
我慢できず触れるだけのキスを落とした
ほら、またそんなに真っ赤になって。その顔が男を狂わせるってわかってるのかな。
ちょっかいをかけると決まって怒ってくるA。そんな顔も可愛いなんてほんと反則。
『さ、帰る準備しようか』
固まる彼女の上からさっとおりる。
今日はどんな顔をするのかな、なんて内心わくわくしていると、そこにあったのは唇をキュッと結び酷く辛そうな顔
「‥‥はい」
(‥‥あれ?)
身支度をし、チェックアウトして駅へ。新幹線で東京に向かう間も彼女の顔は沈んだまま。
話しかけたら返事はくれる。無視されてる訳ではないけどそこにいつもの彼女はいなかった
(うーん、ほんとに怒らせたか‥?)
Aの気持ちなんて知らない夏油は
柄にもなく不安になった
...
時を同じくしてAも頭を悩ませていた。
夏油さんにキスされた。2回も。
1回目はあのパーティの夜。
あの時の彼は怒っていた、と思う。
どうして?って聞いても自分で考えな、と教えてもらえなくて。
どうして怒ったのか、何度考えてみても自分に都合のいいような事しか思い浮かばなくて‥
あの時小さく芽吹いた気持ちには、気づかないフリをしたんだ
そして今日。いつもみたいにからかわれて。
でもいつもみたいに、返せなかった。
ほんと、あんな事言わなきゃ良かった。
“嫉妬しました”
あんなあからさまな言葉を言ったのに夏油さんはまるで無かったかのように私に触れた。
これ以上気持ちが募らないよう、なるべく考えないようにして東京へと戻った。
出張の報告書を提出し、いつも通り仕事をする。夏油さんからの視線は感じるが気まずくてそちらを見れず何となく重たい空気が流れる。
休憩も取らずパソコンに向き合う。集中する事で平常心を保った。
『‥‥__』
(そういえば‥)
「‥‥__?」
(夏油さんも休憩してないな‥)
「‥A」
突然背後から聞こえた声にビクリと体を揺らす。咄嗟に肩に置かれた手を払い除けてしまった。
「‥ぁ!!っ、ごめん、なさい‥」
『あぁ、ごめん。何度か呼んだんだけど‥』
休憩、行っておいで?と
力なく微笑む顔を直視できず
すみませんっ、と言い残しパタパタと執務室をあとにした。
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すみっことかげ(プロフ) - 歯磨き子さん» コメントありがとうございます!嬉しいです☆お、ここにも夏油さん推しがいらっしゃいましたか!!かっこいいですよねぇ本当! (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き子 - キュンキュンしすぎて・・・ありがとうございます。夏油推しには最高です、夏油様どこにいるんでしょうか() (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 0d41b786f3 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - こんぶさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんばりに驚いてもらえましたかね?面白いと言ってくださり嬉しいです!何故こんなおかしな事になってるのか、次話で明らかになるのでお楽しみに!! (2021年9月26日 7時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ - NYの新事実に目玉が飛び出る所でしたw私もニューヨークだと思っていたので。本当に面白いです(*^^*) (2021年9月26日 3時) (レス) @page44 id: 7f18273dc2 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - しゅーくりーむさん» コメントありがとうございます!わあ!そう言っていただけて嬉しすぎます!夏油さんかっこいいですよね、やばいですよね。理想を崩さないように頑張って書きますね!! (2021年9月23日 8時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみっことかげ | 作成日時:2021年8月12日 16時