秘書ってペットじゃないの、知ってます？【夏油傑】

37・目覚める獣 ページ37

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射し込む朝日に目が覚めると同時に体に感じる重み。ん？まぁいいや‥なんてもう一度目を閉じるも、背後に感じる息遣いに次第に意識が覚醒していき


「っっ？！」


(あれ？私ちゃんと端っこで寝たのに!!)


お腹に回された腕。なんなら足まで絡められて。昨日のお風呂上がりの彼の姿が思い出されて一気に顔に熱が集まる。


普段スーツに隠れていて見えてなかった部分。二の腕、太かったなとか。肩幅も広くて胸板厚くてがっしりしてたなとか。朝からなんてものを想像してんだとモゾモゾしていると後ろから控えめな笑い声‥



「‥起きてたんですか」

『ふふっ、うん』

「‥‥」

『君も起きたな、って思ったら急に耳まで赤くなるし体温も上がるから、心配になってずっと見てた』

「っ//起きてるなら離してください‥」

『嫌だね』

「っな‥」

『A暖かくて気持ちいいんだよ』



更にぎゅうっと抱きしめられて、遂に変な汗まで出てきた



「‥猫でも飼ったらどうですか？」

『いずれ飼いたいなとは思ってるよ』

「‥品種は？」


意外と真面目な回答。
少しの沈黙の後、彼の声が色づいた。



『うん。毛足が長くて、小さくて、顔も私好みで、仕事に一生懸命で、よく笑って、』


さらりと髪を払われ擽ったくて身を捩る


(ん？ちょ、待って待って)


お腹に回っていた手がスルスル上へ


『顎をスリスリしてやると今みたいにびくっとして真っ赤になって、』


熱を持つ耳に、わざとちゅっと音を立てて落とされる唇


「んっ」

『いい声で鳴いて、たまに威嚇してくるけどそんなのも可愛くて、』



肩を掴まれぐるんっと上を向かされる
あ、この目は‥



『飼い主が他の匂いさせてたら涙目になって嫉妬してくれる、そんな可愛い猫ちゃんを飼いたいなぁって思ってるよ』



(あわわわ‥待って待って)



私の首筋に顔を埋めすん、と嗅ぐ。
寝起きの回らない頭に爆弾を立て続けに落とされ、思考が全く機能しない。ドッドッと心臓の音がうるさい。てかこの状況、結構マズイのでは？


「わ、わかりましたから！退いてください！」

『おや、遂に飼われる気になった？』

「いや、そうじゃなくて！」


ナチュラルに組み敷く夏油さんの分厚い胸板をバンバン叩くも微動だにしない彼



『ほんとは歯型でも付けたいくらいだけど』

「‥はがっ?!」




こんなに我慢したんだ、少しくらいご褒美貰ってもいいよね、と



悩ましげな顔から優しく落とされたキスに全身の毛が逆立った




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