4・まさかの ページ4
失礼します______
「専務、はじめまして。
新しく秘書を務めさせていただく青山です。
よろしくお願いします」
広い部屋の窓に背を預け立つその人に深々と頭を下げた。やあ、とこちらに近づいてくるその人に姿勢を正し、感じる違和感
え、この人‥
急なことですまなかったね、これからよろしくね。と微笑む顔には見覚えがあった
「あ!あの時のっ___」
そこまで言って慌てて口をつぐんだ。もしかしたら、相手は私のことを忘れているかもしれないという一抹の期待を込めて彼を見遣る
『んーやっぱり覚えてたか‥』
「‥え?」
『出来たらあの時のコトは忘れて欲しいな』
「え、あのビンタして泣いて帰ってく女性に向かって吐き捨てるようにめんどくさ、って言った専務をって事ですか?」
『鮮明に覚えてるね』
「ぁ゛‥」
やっぱり覚えてた。そしていらん事を言ってしまった。非常によろしくない雰囲気だぞ。
そこへ来て彼から貼り付いたような笑顔が消えた。え、こっちが本性か?と驚いている私にお構いなく距離を詰めてくる彼は目の前で立ち止まる
『どちらも本当の私だよ。彼女はね、数回寝ただけなのに彼女面してくるから、もう連絡してくるなって言ったんだ、話の通じない猿だったんだよ』
私の思考を見透かしたようなその発言に
へ、へーえ‥と乾いた返事しか出てこない。
というか内容が酷すぎる。猿ってあんた‥あんたも猿みたいに腰振ってたんじゃないですか?
『ははっ、私も猿か。酷いことを言う』
ばっ!!と慌てて口を抑えるも目の前の男の反応でそれが私の口から発せれられた言葉なのは明確で
「すみませんっ、出過ぎた発言でした」
『ん?いいんだよ、ビジネス用とプライベート用の顔を使い分けるなんて、社会人として当然の事だろう?それに‥‥』
さらに一歩近付き、私の顎をスルリと撫でて
妖艶に微笑みながら
『君にはわたしの全てを知ってほしいから』
秘書として、ね?と妖しく笑う顔に固まる。
なんなんだこの、天性ヒトたらしみたいな人。
この人が直属の上司‥
『あ、そういえば自己紹介まだだったね、
専務の夏油傑です。よろしくね?』
ニッコリと笑うのはビジネス用か、それとも‥
出された手を形式的に恐る恐る握り返した。
分厚くて大きな手だった。
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すみっことかげ(プロフ) - 歯磨き子さん» コメントありがとうございます!嬉しいです☆お、ここにも夏油さん推しがいらっしゃいましたか!!かっこいいですよねぇ本当! (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き子 - キュンキュンしすぎて・・・ありがとうございます。夏油推しには最高です、夏油様どこにいるんでしょうか() (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 0d41b786f3 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - こんぶさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんばりに驚いてもらえましたかね?面白いと言ってくださり嬉しいです!何故こんなおかしな事になってるのか、次話で明らかになるのでお楽しみに!! (2021年9月26日 7時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ - NYの新事実に目玉が飛び出る所でしたw私もニューヨークだと思っていたので。本当に面白いです(*^^*) (2021年9月26日 3時) (レス) @page44 id: 7f18273dc2 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - しゅーくりーむさん» コメントありがとうございます!わあ!そう言っていただけて嬉しすぎます!夏油さんかっこいいですよね、やばいですよね。理想を崩さないように頑張って書きますね!! (2021年9月23日 8時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみっことかげ | 作成日時:2021年8月12日 16時