秘書ってペットじゃないの、知ってます？【夏油傑】

26・副社長ゲス認定 ページ26

.


「副社長？！」


『そうだよ。なんだよ知らねーの？』


ズイ、と顔を近づける副社長。うわあ、おめめキラキラ、肌も綺麗‥って違うか



聞けば私が秘書課に配属されて来た時、副社長は海外出張だったとか。あーそんな事言ってた気がスルー(棒)


んでこっちに帰ってきても忙しく国内を飛び回り、やっとゆっくり本社勤務とのことで


『いやー俺最強だからさ、忙しいわけよ。
あ！そういえば先週の取引先の周年パーティ行ってくれたんだってな！助かったわー』


ん？
あ、思い出した。確か副社長が前日の接待の酒で潰れて私達が行く事になったんだ！


と言う事は、全てはこの人のせい‥？
夏油さんにキスされたのも、この人のせい‥？
全ての元凶、諸悪の根源‥


初対面の人にとんでもない殺意が芽生えたと同時に、この人に恨み節のようにその話をする＝社会的死を意味することくらい理解できる。ぐぬぅ我慢だ我慢‥




そうしていると夏油さんが帰ってきた。


『やぁ悟、戻ってきてたんだね』


『よぉ傑、コイツが例の‥？』


『うん、そうだよ。だから悟、Aにそんなに近づくのはやめてもらえるかい？』


『べっつにー？なんもしねーよ』



ただちょっと興味あっただけー、と副社長はお客様用の革張りのソファに座りふんぞり返った



.

-夏油side-


社長と打ち合わせ中、悟が戻ってきている事を聞いた。あぁまずいな、きっと悟はわたしの部屋にいくだろう。そうすればAと二人きりだ、何としてでも避けたい。


手短に話を終わらせ執務室へ急ぐと中から話し声。やはり来てたか、とドアを開けると驚いた表情のAとそのすぐ隣に悟。


何を話していたか気になる所だがひとまずは離れて欲しい。悟を見るとニヤニヤしながらこちらを見ている。あの顔はよくない事を考えている時だ、昔から。




『なぁ傑〜、今日女ひっかけに行こうぜー』


『何を言っているんだい？悟、』


『前言ってたじゃねーか、最近ヤってねーって』


『ちょっと一回黙ろうか』




最近ご無沙汰な事には変わりないがなんて事を言ってくれたんだ。


ちらりとAを見ると、まるでゴミを見るかのような目でわたし達を見ていた




.

27・乱される→←25・マスク必須案件

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す