15・スマートがすぎる ページ15
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そこからはあっという間だった。部屋に女性が何人も入って来たと思ったら手際よくヘアメイクを施された。いつもと違う艶めきのあるメイク、綺麗に巻かれ纏められた髪。ネイルも落ち着いたヌードカラーで仕上げる。
お姫様みたいだな、なんて思いながらされるがまのま私の様子をソファに座ってじっと見つめてくる夏油さんは目が合うとニコッと微笑んでくる。なんで楽しそうなの。
最後に女性が小さく笑う
『意外と子供っぽいことするんですね、彼』
夏油さんを鏡越しで見ながらそう言う女性は最後にコンパクトを取り出し、私の首筋のソレをぽんぽん、と隠してくれた
「えっ」
なんで夏油さんってバレてるの。なんで?
戸惑う私の足元には真新しいハイヒール。そっと足を入れて立ち上がり鏡に全身を映す
「わぁぁ、自分じゃないみたい‥」
コーヒーのカップを机に置き、夏油さんもこちらへ来る
『んー参ったな。今すぐ抱きしめたい』
「何言ってるんですかやめてください」
さあこちらを、と差し出されたパーティバッグを受け取ったが、頭にはある不安が渦巻く
(ドレス、ヘアメイク、靴、バッグ‥これ一体いくらすんの。無理じゃない?私‥)
分割なんてしてもらえないんだろうなぁ‥なんてぼんやり考えていると
さ、行くよと夏油さんはドアに手をかける
「あのっ、このお代なんですけど、」
慌てて隣の女性に言うと
『もう頂いておりますよ』と
ふわりと微笑まれて、尚更慌てる。
「え?!」
『夏油さんがお待ちですよ、さあ』
と女性に促され部屋を出た私は夏油さんの後を追いエレベーターの前に立つ背中に声をかけた
「夏油さんっ」
『うん、やっぱり似合ってる』
「あの、この服の支払い『済んでるよ』
「え!!自分で支払いします!いくらでしたか?」
『いいのいいの、副社長のせいで急遽行くことになっただろう?だから今回は甘えてよ』
「いや、でも」
『それにね、こんなに綺麗な女性を連れて歩ける機会もそうそうないから役得だと思ってるし、ね?』
わたしの顔を立てると思ってプレゼントさせてもらえると嬉しいんだけど、と悪戯に微笑む夏油さんは女の攻略法を知っているかのようで。
そんなこと言われてあやうく舞い上がりそうになる気持ちをぐっと抑え、私は小さく頷くしかなかった。
____この男は、やはり危ない。
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すみっことかげ(プロフ) - 歯磨き子さん» コメントありがとうございます!嬉しいです☆お、ここにも夏油さん推しがいらっしゃいましたか!!かっこいいですよねぇ本当! (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き子 - キュンキュンしすぎて・・・ありがとうございます。夏油推しには最高です、夏油様どこにいるんでしょうか() (2021年10月1日 16時) (レス) @page48 id: 0d41b786f3 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - こんぶさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんばりに驚いてもらえましたかね?面白いと言ってくださり嬉しいです!何故こんなおかしな事になってるのか、次話で明らかになるのでお楽しみに!! (2021年9月26日 7時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ - NYの新事実に目玉が飛び出る所でしたw私もニューヨークだと思っていたので。本当に面白いです(*^^*) (2021年9月26日 3時) (レス) @page44 id: 7f18273dc2 (このIDを非表示/違反報告)
すみっことかげ(プロフ) - しゅーくりーむさん» コメントありがとうございます!わあ!そう言っていただけて嬉しすぎます!夏油さんかっこいいですよね、やばいですよね。理想を崩さないように頑張って書きますね!! (2021年9月23日 8時) (レス) id: 836ec41816 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみっことかげ | 作成日時:2021年8月12日 16時