ねぇ、どっち…？2 (ページ8)

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＊58 jk ページ8

「はぁ…」

帰路をノロノロと歩きながらため息をついた。

さっきのジミン先輩とAが頭に浮かぶ。

俺必要ない…？

さっきからネガティブな事ばかり考えてしまう。

どうしてこうなるんだよ…

下を見ながら歩いていたら、

突然、よっ、と陽気な声が聞こえてきて

顔を上げるとジェヒョンが立っていた。

「あ…」

「あ…、って笑

あ、そうだ！ジョングク！早く家帰れ！」

遅れて俺に気がついたジェヒョンが

駆け寄ってきて、そう背中を押す。

「会って早々なんだよ…笑」

「いいから！」

「なんだよ。笑」

ジェヒョンの焦りように笑っていたら、

考えもしてなかった人の名前が

聞こえてきて固まった。

「今…なんて…」

「Aがテヒョン先輩といたって！」

それを聞いた瞬間お礼も言わずに走り出して

家まで急いだ。

やっと家にたどりついたら本当に二人がいた。

荒くなった呼吸を整えながら

少しずつ二人に近づいていく。

困り顔をしてテヒョン先輩を見つめるA。

そんな顔見せんなよ…

「Aって、恋愛したことある？」

聞こえてきたテヒョン先輩の質問。

Aは口を開けて一瞬固まった。

あぁ、もう…

“ない”

そう応えようとしたAの声に被せて

“ある”

と言った。

その後Aのせいでテヒョン先輩に

怪しまれたけど諦めて帰っていった。

ホッとしてAを見たら

顔は違う方向を向いていて

イラッとした。

テヒョン先輩を見て欲しくなかった。

俺を見て欲しかった。

だからそれを妨害して気を引こうとした。

どうしてテヒョン先輩といたのか、

どうしてジミン先輩と帰ったのか、

知りたくて荒っぽく聞いたら、

なんとなく言い合いの様になってしまって。

ただ俺を選んで欲しかっただけなのに、

気づいた時には泣かせてしまっていた。

少しずつ離れていく後ろ姿ただ見つめた。

おい、チョンジョングク。

これでいいのか…？

いや、ダメだ…

大きく踏み出してあとを追いかけた。

そして、小さい肩を、

Aを

後ろから包み込んだ。

「ごめん…」

まだ怖いんだ。

この関係が壊れてしまうのが。

でも、一歩踏み出してみようと思う。