ねぇ、どっち…？2 (ページ7)

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「そうだけど、今Aはないって

口の動きしてたけど？」

しまった……

にやっと口角を上げたテヒョン先輩に

顔をこわばらせた私。

「そ、それは」

「それは、Aは

俺がはじめてで、付き合い始めたばっかだから

恋愛経験にいれていいのか

わからなかったんですよ、きっと。」

サラサラとそう話したと思ったら

な？、って私に同意を求めるジョングク。

余裕な表情で微笑むこの人は誰なのだろうか。

いつの間にこんなに大人になったのだろうか。

「あ、うん…！」

下手な返事をしてしまって、

テヒョン先輩がじーっと見つめてくる。

「ふ～ん」

５秒ほどでかわいた返しが返ってきた。

おまけにつまらなそうな表情。

「まぁ、いいや…。

A、また今度一緒に帰ろ」

またねと来た道を戻っていったテヒョン先輩。

はぁ…助かった…

小さく息を吐きながら先輩を見ていたら、

大きな手がヒラリと視界を暗くして。

「いつまで見てんの？」

機嫌の悪そうな声が横から聞こえてきた。

手をどかして横をみたら

ジョングクは少しも笑ってなくて

いかにも不機嫌そうだ。

「なんでテヒョン先輩と帰ってんの？」

まるで彼氏がいいそうな台詞。

私に彼氏なんて存在はいないんですけどね。

「駅であったから…」

「…はぁ…」

ジョングクが大きく溜息をつきながら

首元をさする。

「ジミン先輩とだって…」

「え」

ボソリといったその声を微かに拾った私の耳。

今、ジミン先輩って…

「いや…別にいいよ、」

別にいいってなんなのだろうか。

自分から言い出したくせに。

なんだかイライラする。

どうしたんだろ。

こんなにイライラすることも滅多にないのに。

「傘がなかったからジミン先輩がー…」

「俺がいたじゃん、

どうしてジミン先輩の傘に？」

腕を組んで冷たい目で

私を見つめるジョングク。

「そうだけど…だけどっ…」

何もわかってない。

ジョングクには幸せになってほしい。

どうしてこういう時に言えないのだろうか。

私の口から出た言葉は。

「別に分かってもらえなくてもいいよ…！」

だった。

あぁ、もう、最低。

俯いて早足で歩き出したら

目に溜まっていた涙が

ポロリと落ちていった。

どうしてこんなにもダメな私なんだろうか。