ねぇ、どっち…？2 (ページ36)

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ぼーっとジョングクを見つめ続けていたら

そんな見られたら照れるだろ、って言って

また抱きしめられた。

ジョングクの匂いがする……

暖かくて大きくていつもの香りがして

本当にホッとする。

気がつくと涙は既に止まっていた。

「あのさ…」

頭上からジョングクの声が聞こえてきて

うん、と相槌をうった。

そしたら、

「キスしたい…」

なんて考えもしてなかったようなことを

言い出すから、へ？、と間抜けな声が

出てしまった。

「…嫌？」

あまりにも予想外だったために驚きすぎて

ジョングクの顔も見えてるし、

声も聞こえてるのに、反応出来ない。

そしたら、ジョングクはフッと可笑しそうに

笑って、スっと寄ってきた。

チュッと音を立てて離れていった後に

やっとハッとして我に返った。

唇に余韻を残す感触と温度。

「今…」

「今はこれで我慢しといてあげる」

なんて言って笑うジョングク。

余裕そうな表情。

なんだか負けたような気がして嫌だ。

私はジョングクの頬を両手で包んで引き寄せた。

驚いた表情のジョングクがくりくりな目を

小さく揺らしている。

その下にあるしっとりとした唇に

チュッとキスをした。

「お返し。笑」

そう言って笑ったらジョングクも笑った。

油断していたらまたチュッと音がなって

ジョングクが満足そうに笑う。

「お返しのお返し。笑」

やられた、と思ってまたしようとしたら

唇を尖らせて待ってるから笑ってしまう。

でも可愛くて突き出た唇に

チュッとキスをしてあげた。

本当に満足そうに笑って、

家帰ろって私の手を掴んだジョングク。

前のジョングクよりも大分甘い。

表情も声色もすることも。

意外だったけど、すごく心地よくて

すごく愛おしい彼氏だ。

周りの人はジョングクを見て

ヒソヒソ話しながら通り過ぎていく。

自慢の彼氏だ。

イケメンでスタイルも良くて、

匂いまでイケメンだ。

頭も良くて、運動もできる。

彼女には甘くて。

他の子にはあまり興味をしめさない。

最高でしょ？

私の大好きな友達みたいな彼氏。