ねぇ、どっち…？2 (ページ28)

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抱きしめる力を徐々に強めてくるジョングク。

まるで私の存在を確かめるみたいに。

そしたら、

「…もうテヒョン先輩のもの？」

顔の横でジョングクが掠れた声で

言うから、ちょっと驚いた。

声震えてるし…

こんなにわかりやすく

不安そうにするジョングクが珍しくて

なんだか意地悪をしたくなる。

「まだ……」

意地悪な言い方をしてみた。

私、前までこんなんじゃなかったのに…

ジョングクの性格に似てきたのかな…？

ジョングクの腕が緩んで離れた身体。

見えた顔。

あ…

すごい悲しそうな顔になっちゃってる…

「まだって…

これからそうなりたいってこと？」

身体は離れてるのに、腕はまだ掴まれてて、

しかも結構強い力で。

「まって。ジョングク…、いたい」

「…あ、ごめん…」

無意識にそうしちゃってたみたいで

はっとして緩めてくれた。

「……なんで……俺じゃなくて、

…テヒョン先輩なの…？」

どうしよう…

私がテヒョン先輩のことすきって

勘違いしてる…

まぁ、胸がキュンとなったことはあるけど…

好きなわけじゃない。

「ジョングク？あのね、」

「まって！

……ごめん、…聞きたくない。」

真実を伝えようとしたら

それを遮って俯いてしまったジョングク。

そんなジョングクを見てすごく後悔した。

私、今すごくジョングクを苦しめてる…

まだ、なんていうんじゃなかった……

これ以上そんな顔して欲しくないよ。

「…嘘なの。

ただ意地悪したくてまだなんて言ったの…」

嘘だと伝えるとゆっくり顔を上げたジョングク。

驚いた顔で私を見つめてくる。

そりゃそうだよね。

「じゃあ…」

「テヒョン先輩のことすきじゃないし、

付き合いたいとも思ってないよ？」

そう言うと丸い目を揺らして

私を見つめてくるから、

どうしていいか分からなくて

そのままジョングクを見つめ返した。

そしたら、

「まじかよ…」

と言って下を向いた後、私に背を向けて

空を見上げたジョングク。

何をしてるのかと思っていたら、

すぐに鼻をすする音が聞こえてきて

本当に悪いことしちゃったなって

深く反省した。

ごめんね？

ジョングク

私ね…

本当は貴方が好き。