ねぇ、どっち…？2 (ページ22)

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今まで私に近づいてきた人達は

みんな空っぽだった。

近づいてきてはすぐに離れていった。

私が避けていたからだ。

怖がっていたから。

だから、ジョングクが守ってくれていた。

そうだったのに……

どうして貴方は違うのだろう…

どうしてすっと胸に入ってくるのだろう…

…どうしてですか…？

気付けばテヒョン先輩の頬に手を伸ばしていて

あと数センチで触れそうな距離だった。

その時。

「っ……！」

テヒョン先輩の手が私の手の甲を包んで

私の手はテヒョン先輩の頬に当てられた。

「触れたいなら触れていいよ」

テヒョン先輩は目を開けると

虚ろな目で私を見た。

「Aならいくらでも…」

そう言って微笑むと、私の手を頬から離して

ゆっくり起き上がったテヒョン先輩。

そして包み込むように優しく抱き締められた。

「…どうしてですか…？」

私がそう言うと身体を離して

残念そうな顔をするテヒョン先輩。

「こんなに表現してるのに…

俺の気持ちなんでわかんないの…？」

色っぽい表情にドキッとする。

「足りないってこと？」

「え？」

なんでそうなる？

テヒョン先輩は両手を私の頬に添えて、

だんだん近づいてくる。

避けようと思ったけど、

テヒョン先輩の手によって押さえられてしまった。

あ…もうダメだ…

目をぎゅっとつぶったら、

頬に柔らかい感触がした。

驚いて目を開けると

嬉しそうにテヒョン先輩が笑って

またぎゅっと抱き締められた。

「唇はAが俺のになったらね」

「え…？」

俺のにって…

彼女、ってこと、ですかね…？

「A、すきだよ…」

やめてくださいな…

酔うとテヒョン先輩恥ずかしいことばかり

言うのかな…

ただ酔ってるだけ？

本心？