ねぇ、どっち…？2 (ページ21)

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“だから、そんないい友達のために…

俺もAちゃんを諦めようと思う。”

ジミン先輩のその言葉に

どう反応していいのか分からずにいた。

ジミン先輩もそれ以上何も言わなくて、

二人ともしゃべらないまま

テヒョン先輩の家に着いた。

ジミン先輩は慣れたように

暗証番号を入力し、テヒョン先輩を

背負い直すと中に入っていった。

私は入っていいのか分からず、

外で突っ立っていたら、

テヒョン先輩を下ろしてきた

ジミン先輩が戻ってきて

私を見て可笑しそうに笑う。

「…何してるの？笑

そこじゃ寒くない？」

寒そうにポケットに手を突っ込んで

震えるジミン先輩。

「勝手に入っていいのかなと…

…でも、もう送り届けたので私帰りますね」

頭を下げて帰ろうとしたら

パシッと腕を掴まれて、振り向くと

ジミン先輩は少し笑っていて

スっと腕を引き寄せられた。

よろけてジミン先輩に近づくと

ジミン先輩が満足そうに笑って、

後ろでガチャンとドアが閉まる音がした。

「まだ返さないよ。笑」

そう言ってジミン先輩に腕を引かれて

ある部屋に入った。

中はオシャレに飾られていて、

ベッドの上にはテヒョン先輩が寝ていた。

ジミン先輩はクローゼットをあけて

スウェットを取り出すと、

テヒョン先輩の横に置いた。

「テヒョン、これに着替えな」

「…ん、」

ぬくっと起き上がると

急に服を脱ぎだすから慌てて顔を逸らした。

「Aちゃん…笑」

ジミン先輩は私を見てクスクス笑っている。

笑ってる場合じゃないですからっ…！

必死に見ないようにしていたけど

やけに静かだから気になって顔を戻すと

いつの間にか着替え終わったみたいで

また横になっていた。

「俺、ちょっとトイレ行ってくるから

テヒョンのそばにいてあげて…？」

ジミン先輩は微笑むと部屋から出て行った。

そばにいてっていわれても…

いったい何をすれば…

とりあえずそーっとそばに寄って

テヒョン先輩を観察してみる。

そんなに辛そうでもなさそう……

……よかった

「さっきは…

…ありがとうございました」

眠っているから聞こえてないだろうけど

今お礼を言っておきたかった。

「でも…

どうしてここまでしてくれるんですか……？」

テヒョン先輩の少し乱れた髪がかかる

綺麗な寝顔を見つめながら呟くように言った。