ねぇ、どっち…？2 (ページ3)

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先に帰ったのかよ…

その一瞬で気分はだだ下がり。

自分の荷物を手に取って

帰ろうとしたら、近くにいた男子生徒に

「今日は珍しくバラバラなんだな」

と言われた。

「うん…先帰られた…笑」

笑顔を作ってみたものの、

胸の中はモヤモヤしてて上手く笑えなかった。

なんで何も言わずに帰るんだよ…

「もしかして喧嘩でもした…？笑」

顔をしかめてたのかその男子が

心配そうに俺を見ながら、

少し冗談っぽく聞いてきた。

「いや、してない。」

「そうなの？

Aちゃんお前探しに出て行ったのに、

一人で戻って来たと思ったら、

すぐ帰ってったから

てっきり喧嘩でもしたのかと思ってた。笑」

ハハと笑うその人をみて、

こいつAのこと好きだなと

勝手に確信する俺。

...まてよ？

一瞬頭にあることがよぎった。

「A、いつ帰った？」

「ついさっきだから、

まだ建物内にいるんじゃないかな」

「ありがと…！」

その場からすぐ走り出して

下へと繋がる階段を駆け下りる。

もしかしたら先輩といるのをみて

気を利かせたつもりで

一人でかえったのかも...

「あっ！ジョングクくん！？」

声の方に顔を向けるとファンソヒ先輩がいた。

だけど、そんな場合じゃない。

今はAが優先だ。

「すみません！」

それだけ言ってまた階段を駆け下りた。

どこの階を見渡しても見つからなかったが、

１階に下りてやっと足を止めた。

「いた...」

雨に困って帰れないでいる様子で

空を見上げていた。

結局帰れてないじゃん…

電話して驚かせてやろう…笑

携帯を取り出して、Aの画面を出した。

発信を押そうと指を伸ばした時。

Aが誰かと話し出して、

気になって恐る恐る場所をずれてみたら、

微笑みながらAを見つめる

ジミン先輩がいた。

「っ……」

仲よさそうに話している二人に胸がざわついた。

今すぐAをジミン先輩から遠ざけたくて

足を踏み出した。

だけどすぐに足を止めてしまった。

いや、動かなくなった。

ジミン先輩に肩を抱かれても

大して抵抗せず同じ傘におさまっていたから。

それを見てなんだか遠くなった気がした。

今まで俺だけが許されていたことなのに…

…見たくなかった。

二人の後ろ姿を見つめながら

一人になったみたいな寂しさ感じた。