ねぇ、どっち…？2 (ページ20)

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「A～…？」

ジミン先輩に支えられているその人は

足元をおぼつかせて私に手を伸ばす。

テヒョン先輩……

見るからに酔っている。

「ちょっと助けて欲しい…

出来ればAちゃんに…」

「え？私ですか？」

「うん。ちょっと話したいことあって。

テヒョン送り届けたら

またここに送り届けてあげるから」

「…じゃあ…」

立ち上がって席を離れようとしたら

ジョングクに腕を掴まれた。

「本当にここに送ってくれるんですか？」

「そりゃあ、借りたら返さなきゃだからね？」

ジミン先輩がそう答えても納得いってない

みたいで、離してくれないジョングク。

「大丈夫。戻ってくるから。」

そっとジョングクの手を解いた。

「ごめん。いってくるね」

そう言ってテヨンとジェヒョンに手を振ると店を出た。

それから歩き出して、

テヒョン先輩を一緒に支えようと手を出したら

大丈夫、って微笑みながら断られてしまった。

「本当に手伝って欲しくて

Aちゃんを呼んだんじゃないんだ…」

ちょっと待って、と言ってテヒョン先輩を

背中に乗せたジミン先輩は

また歩き出して話を続ける。

「Aちゃんに文句を言いたくて…笑」

「文句、ですか…」

怒られたりするのではないのかと

少し身構えてしまう。

「テヒョンがこんなになったのは

Aちゃんとジョングクのせいだって。」

「え？」

「…お昼のこと」

そう言われてお昼のあのシーンを思い出す。

「ジョングクの態度にショック受けてた

Aちゃんの顔みて……

ほっとけなかったみたいで

わざとジョングクを挑発するようなことして

Aちゃんの元にジョングク戻したんだよ」

ジミン先輩の言葉を聞いて驚いて

なんだか申し訳なくて、胸が締め付けられた。

テヒョン先輩は私のために……

「テヒョン、あの後すごい辛そうだったんだよ？

不安だっただろうね…

先越されるかもって」

「でも、私たち本当は…」

「付き合ってない。

ってもう知ってるよ…？

…俺も。テヒョンも。」

「え…」

「…だから…余計辛かったんだよ…

好きな人を相手に譲るんだから…

こんなに誰かを想うテヒョン初めて見た…

……本当にいいやつなんだ」

独り言みたいにそう言ったジミン先輩。

「だから、そんないい友達のために…

俺もAちゃんを諦めようと思う。」