ねぇ、どっち…？2 (ページ16)

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目が合ったジョングクを見て驚いた。

ジョングクがなんとも言えない表情で

私を見つめていたからだ。

「…さ！ご飯たべに行こ！」

この空気感を感じ取ってかジェヒョンが

ジョングクの腕を引っ張った。

「…おう…」

そう言ってジョングクが私から目を切った。

その瞬間胸がもやっとした。

離れていくジョングクをただ見つめていたら、

後ろから誰かにぎゅっとされて

肩周りに腕が巻きついてきた。

「やっと邪魔者がいなくなった～♪」

「ちょ、テヒョン先輩…！？」

「テヒョン、お前～。離れろ～」

ジミン先輩が呆れながら

隣に立ってテヒョン先輩と

私の腕を掴んで引き離そうとする。

が、テヒョン先輩が反抗してぎゅ～っと

してくるもんだから離れられないわ、

苦しいわ、恥ずかしいわで

もう頭おかしくなりそう。

「モテモテだね。笑

羨ましいなぁ？笑」

「そんなこと言ってないで助けて～」

「どうしよっかなぁ～？」

テヨンはそんなこと言って全然助けてくれないし…

「A嬉しいくせに～」

「嬉しくないですよっ…！」

もう…ジョングクのバカ…

こういう時に助けてよ……

そう思った時だった。

「いい加減にしてください」

急に聞こえてきた声に顔を上げたら

先に行ってしまったはずの

ジョングクが目の前にいて、

明らかに怒っている顔だ。

ジョングクに腕を掴まれて引き寄せられた。

そしたら意外にもテヒョン先輩の腕は

簡単にほどけて、引かれた勢いのまま

ジョングクの胸に抱かれた。

「あれ？

奪われちゃったな…笑」

残念そうにそう言ったテヒョン先輩を

軽く睨むジョングク。

「奪おうとしてるのはそっちですよね？」

「あ～、そうかもね？笑

ごめんごめん…笑」

ピリピリのジョングクに対し

緩いテヒョン先輩。

今、私が止めなきゃ。

「…ジョングク。もう行こう？」

ジョングクの胸を押して

意識をこちらに向けるようにした。

「ジョングクっ」

また呼びかけたら私に目も移さず、

私の手を掴むと黙って歩きだした。

「ちょ……」

腕を引かれながら振り返ると

テヒョン先輩がにひっと笑ってＶサインを

してきた。

すぐには分からなかったけど、

少ししてから気付いた。

さっき簡単に腕が離れたのは、

わざと離してくれたんだと。