YOU 2. (ページ2)

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「Aちゃん…、俺…」

酔いが覚めて来てぼんやりしていた感覚が

はっきりしてくる。

心臓の音がやけにうるさく感じて、

体が熱い。

自惚れているのかもしれないけど

見惚れるように私を見つめるテヒョンさん。

段々テヒョンさんの顔が近づいてくる。

っ…

心の準備が…

今更ワタワタしても

もうすぐそこまで近づいてきていて

パニックになってぎゅっと目をつぶった。

すると

ファサ…

気が付くと感覚は唇じゃなく、肩にあった。

「テヒョン、さん…？」

訳がわからず名前を呼んでみたけど

反応がない。

そっとテヒョンさんの体を起こすと

さっきと様子が違くて

あきらかにぐったりとしている。

辛そうにコホコホっと咳をするテヒョンさん。

まさかと思って

自分の額と熱さを比べてみると

テヒョンさんの方がかなり熱かった。

「すごい熱…

どうしてこんなになるまで…」

早く休ませてあげないと！

立てますか？と聞くと

辛そうに頷いたテヒョンさん。

急いでタクシーを呼んで乗り込んだ。

「場所、言えますか…？」

こんなテヒョンさんに言わせるのは

心苦しいけど、目的地を伝えてもらって

途中で水と薬を買って飲んでもらった。

隣で眠るテヒョンさん。

何かしてあげたくて

テヒョンさんに体を寄せて

ぐたっとしている首を

そっと自分の肩に乗せた。

その時

「A…」

耳元でかすれた声が私の名前を呼んだ。

起こしちゃった…

と顔を覗き込んだけどまだ寝てるようだった。

「…(なまえ)…」

また私の名前を呼んだテヒョンさん。

「行かないで…」

「っ…」

彼の頬をゆっくり滴が流れていく。

ぎゅっと心臓を掴まれたみたいに

胸が苦しくなった。

そんな辛い表情をして

一体どんな夢を見てるの……？

「…ここにいますよ」

眠るテヒョンさんにそう言って

そっと手を握った。