○貴方は私の天体の中 ページ1
みんみんみんみんと蝉の音が鳴り響く。
夏はもう不快でしかない。
暑いし気分悪いし、汗は何もしなくても出てくるし・・・
何より筆を持つ手がちっとも進まない。
3日も徹夜してしまって私の眼の下には
うっすらと隈もできていた。
どれもこれもあいつのせいだ。
私はその思いだけで徹夜してきた。
書き終えた書物をとんとんと整理する。
そしてふうとためいきをついてその場に寝転んだ。
あ「もうすぐ来るかな・・・」
一言そう呟いたすぐあとに
おおきくて甲高い声が響いた。
「ごめんくださあーい！！！」
この声が初めて会ったときとまったく変わらなかったので
あのときこんな仕事を請け負ってしまった自分がにくい。
もう一度ため息をついて立ちあがる。
そしてずんずんと長い廊下を渡って玄関へと出る。
玄関にはやっぱりあの男が立っていた。
あれは男といってもいいのだろうか？
女の私よりも大きい目、小さい顔、さらさらな髪
きゃしゃな体つきに透き通った声・・・
これを男と呼んではいけない。
それでも背は私よりも少し高く、傍によれば私が見上げる形になる。
私の姿が見えるとぱっと表情が変わり笑顔になる。
これが愛想笑いだということはわかってるけど・・・相変わらず綺麗だなあ。
あ「そんなに大きな声を出さないでください・・・近所迷惑ですわ」
耳をふさぐようなしぐさをして彼を睨む。
そんな私の仕草にもお構いなく、にっこりとまた笑って
手を出した。
私は何回目かのため息をついて書物を渡した。
沖「ありがとうございます。いつも」
あ「もういいです、そちらも大変そうですし・・・」
「助かってますよ」と屈託なく笑う彼は
新撰組の一番隊隊長らしい。
本当に・・・この人が新撰組の一番隊隊長とは思えない。
すると沖田さんはごそごそと袖から何かを取り出した。
何かって言っても・・・あれしかないけどね。
沖「これ、新しく見つけた外国の書物です」
あ「・・・なんでそうほいほい書物がでてくるんですか；」
私がこの人に頼まれている仕事は外国の書物の翻訳。
私はかつて父と一緒に色々な国を回った。
どれもおもしろい文化や街並みで私には輝いて見えた。
父が亡くなってからはいかなくなったけど・・・
あ「ほんと、人使いが荒い・・・」
沖「あはは」
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とかげ - 沖田さん最高です！！ (2019年9月16日 16時) (
レス) id: e1cdc78651 (このIDを非表示/違反報告)
咲間(プロフ) - はるかさん» ありがとうございます！！この3人はなかなか見当たりませんよね；これからもがんばらせていただきます！ (2014年9月24日 18時) (レス) id: 5e4413b5a1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 私もこの３人大好き何で、このような作品があってとても嬉しいです！これからも頑張って下さい(*^^*) (2014年9月23日 9時) (レス) id: 85c5d33bca (このIDを非表示/違反報告)
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