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「はぁ……」
あかん、溜息出たわ
「初めてやけど、」
「え、」
「こういうことするん、Aくんが初めてやで」
「そ、そうですか………」
「……続けてええ？」
「いや、あの、さ」
「まだなんかあるん？」
「そもそも、こういうことは丈くんから禁止されてるやん……？」
「…………」
付き合うってなった時に丈くんに勝手に決められたルール
健全な男女交際をすること
健全な男女交際ってなんやねん
あの人、いつの時代の人間や
「それっていつまで？」
「え、」
「俺が18なるまで？Aくんがハタチなるまで？」
「や、分からへんけど……」
「そんないつまでか分からへんやつ、守ってられへんねんけど」
構わず脇腹にあった手を上に進める
「やっ、……風雅っ……」
相変わらず肩叩かれるけど、そんなん知らん
「Aくん、知ってる……？」
耳元に唇寄せて囁いた
「ルールって、破る為にあるねんで……？」
そのまま耳に舌を這わせて、胸に触れようとしたら
腹に膝蹴り入れられた
「ったいなっ！！なにすんねん！！」
「風雅がやめへんからやろ！！」
「やからって、彼氏の腹蹴らへんやろ！普通！！」
「ルールはな！守る為にあるねん！あほ！！」
くっそムカつく……！！
まじかこの人……！！
「……いつまでかなんて、決められへんけどさ……」
体を起こして俺と向き合ったAくんが
「……初めても風雅って決めてるから……もうちょっと待って……？」
恥ずかしそうに頬染めて、すごいこと言うから、腹立ってた気持ちが萎んで行く
「あー……もう……分かった……」
こんな風に言われたら、納得せざるおえんやん
いつまでたっても、ほんまずるいな……
「でも、そんな待たへんから」
「ぜ、善処はします……」
「…ん…おいで」
両手広げてAくん呼んだら、ちょっと迷いながらも腕の中に入って来た
「キスはしてもええですか？」
「うん……」
腕の中から顔上げたAくんにキスしたら、ぎゅっと腰に腕を回される
少し長めにキスして離れたら、俺の肩に顔埋めたAくんが呟いた
「風雅のキス好き………」
「……」
俺、いつまでもつやろ………
相変わらず降り続ける大雨が、俺の煩悩を洗い流してくれたらええのに……
しんど………
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作者名：Saya | 作成日時：2021年7月4日 0時
