Lil Story (ページ24)

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「西村っ、だめやでっ」

「触ってるだけやもん」

「触ってるだけちゃうやんっ」

「ん？これ、触ってるだけちゃうん？」

耳元に唇寄せて囁いたら、真っ赤に染まる頬が可愛い

Aくんって、自分が知らんだけでめっちゃ女の子なんよな

零れる甘い声とか、潤んだ目とか、柔らかい胸とか太ももとかさ、そういうの全部女の子や

でも、Aくんはそう思ってないし、周りからそういう風に見られてるとも思ってない

こたちゃんたちがいかがわしいこと考えたりせんとかも、本気で思ってるもんな

心配やわ

「柔らかくて気持ちぃね……」

「んっ、」

下着の隙間から直に揉むと、甘い声が漏れた

「俺にこういうことされるん、たまに考えたりせんの……？」

「や、なにっ」

「キスされたり、触られたりさ、したいなって思うことない……？」

さっきみたいな一般論やなくて、Aくんのが聞きたい

「な、いっ」

「嘘やな、だってAくん、感じてるもん……」

荒くなる息と、指先に当たる突起がそれを物語ってる

「言って……？ちゃんと……。俺にどうされたい……？」

髪を耳に掛けて耳朶を軽く噛む
押し殺す声が俺の体をどんどん熱くさせて行く

「た、くや、」

「ん？」

首筋にキスして、Aくんの顔をこちらに向かせた

「キス……して……？」

そんな揺れる目で見上げられたら、何度だってしてあげたくなるよ

「ん、しよ、」

胸にある手の動きはそのままに、深く口付けた
お互いの絡まる舌の感触がいつもよりいやらしい

時々、ぴくっと震える体が気持ち良くなってくれてるんやって、俺を安心させる

可愛いな、愛しいなって、そう思う感情と、触りたい、ひとつになりたいって感情は同じやと思う

年頃やから、男やから、それだけやないよ
大切にしたい気持ちはいつだってちゃんとある

だから、俺は………

触れてた手と唇を離して、Aくんをみつめる

「拓哉……？」

「ルールとか、そういうの抜きにしてさ、」

先輩らに決められてるルール
俺はもうある程度は破っちゃってるけど、最後の最後はまだギリギリ守ってる

「俺と最後まで……したい……？」

「え……」

「年頃の男子はさ、ただ、いかがわしいこと考えとるだけやないよ？相手を想う気持ちがあって、そういうこと考えるねんで」

大切やからしたいことも、大切やから出来へんこともある

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