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「樹、これ、」
「女と腕絡ませて歩くのはダメでも、親友と手ぇ繋いで歩くのはいいでしょ」
「そうなん、かな？」
「迷子なんないように、離すなよ」
多少なりとも戸惑う俺に、樹がニヤッと笑う
「こういうのが一番効くんだけどな、こっちいたままだったら」
「え、なに？」
ボソボソ喋られるからちゃんと聞き取られへんくて、樹の顔を覗き込んだ
「A、忘れんなよ」
すると、そんな俺を見て樹が言う
「なにを？」
「お前には俺だから。絶対」
「ん？」
「どっかの関西人に攫われたら、まじで笑えねぇかんな」
攫われる？誘拐ってことか？
「誘拐はさすがに大丈夫ちゃうかな？」
「あほ」
「あ、関西バージョンなった」
「あー……もういっそ俺が攫うか？」
「え、 どこに？」
「連れ込むとこなんかいくらでもあるんだけど、」
ちらっと俺を見ると、「ん、」と指をさす
指がさされた先には、いかがわしいネオンが光るお宿が……
「……そういう冗談、俺に言う？」
「冗談だって分かってんなら、蔑む目で見んなよ」
よっぽど軽蔑した目でもしてたんやろうか
「まぁ、あれだな。お前が20歳になった年の俺の誕生日」
「ん？はたち……？」
「そう。2021年の6月15日」
4年後？また随分先やな
「その日、俺が一番欲しい物もらいに行くから」
「誕生日プレゼントってこと？それなら来年あげるやん」
そんなわざわざ4年待たんくても
今年はもうあげちゃったから無理やけどさ
「俺の中で決めてんの。20歳までは我慢するって」
「なんで樹の誕生日プレゼントに、俺の年齢が関係あるん？」
前にも20歳がどうとか言われたような……
「内緒ー」
にこにこ笑いながら言われる
「うわ、腹立つ」
「誰にもやんなよ？予告してんだから」
「なんか分からへんもん、あげようなくない？」
しかもその言い方やと、まるでこの世にひとつしかない物みたいやし……
俺、そんな高価そうなもん持ってへんけどな
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Saya(プロフ) - むったんさん» コメントありがとうございます！ずっと更新していないのに読んで頂けてすごく嬉しいです。今書いている作品が落ち着いたら、こちらもまた更新していきますね！ (2022年2月4日 21時) (
レス) id: 55ea4d6074 (このIDを非表示/違反報告)
むったん(プロフ) - 面白かったです！続きが気になります(^^)更新待ってます！ (2022年2月3日 21時) (レス) @page23 id: 50add05be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Saya | 作成日時：2021年6月28日 22時
