関西Jr.になりました (ページ48)

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「あ、ついた！末澤、ついた！」

「……見たら分かるわ」

せっかく電気ついたのに、末澤はなぜか嬉しくなさそう

不思議に思ってたら、ばんっと勢いよくドアが開いて、立ってた人と目が合う

「あ、」

「あーーーーーっっ！！！お前らなにやってんねん！！！」

俺と末澤を見た瞬間、丈くんの大声が響いて、思わず顔をしかめた

「やっとみつけたと思ったら、こんなとこでイチャイチャと！！」

イチャイチャ？
丈くんは怒りながらこっちを指差してるから、間違いなく俺と末澤のことを言ってる

「丈くん、これは！」

否定する為に慌てて末澤から離れた

「仕事場で変なことするん禁止やぞ！！」

「あほか！誰がこんな貧乳相手にするか！！」

丈くんに濡れ衣を着せられた末澤が立ち上がる

「はぁっ！？こっちこそ末澤みたいなチビなんか願い下げや！！」

末澤の言い草に腹立った俺も立ち上がり、俺よりちょっと小さな末澤を見下ろした

「さっきまで怖い怖いって、俺にくっついて離れへんかった奴がよお言うわ！！」

「末澤こそ怖かったから、あんな心臓ばくばくなってたんやろ！？」

「あっあほか！！お前ほんま腹立つな！！」

「そっちこそ！！」

「あーーーっっ！もう！分かった！分かったからやめろ！！」

「丈くんが変なこと言うからやろ！！」

「そうや！丈が悪い！！」

「なんでやねん！！」

停電の最中、俺と末澤を探してくれていた丈くんには申し訳ないけど、これは丈くんが悪い

この後、無事に物置部屋から出られた俺たちは、またいつもの距離感に戻ってしまった訳なんやけど、この日から末澤は俺のことを名前で呼ぶようになって、関ジュ内でちょっとした騒ぎになった

結局、あの時末澤が言いかけた言葉をこの後も聞けることはなくて、たまに思い出しては気になったりしてるんやけど、聞いたら怒られそうやから忘れたふりをしている

ほんま末澤はめんどくさい