関西Jr.になりました (ページ36)

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「お前さ、さっきみたいなのやめとけな」

「さっき？なに？」

「俺のこと普通に泊めようとしたろ？あれ、絶対ダメだから」

「自分が泊まるって言ったんやん」

「俺でもダメ。俺でダメだから、他の奴なんかもっとダメ」

「ん？どういうこと？」

「とりあえず簡単に男部屋入れんなってこと。分かった？」

「うーん…うん」

「誰か泊めたら絶交だかんな」

「えぇー…またぁ…」

めんどくさ
言うたら怒られるから言わへんけど

「明日、寝坊したあかんで？」

「起こしてよ。電話で」

「仕方ないなぁ」

「じゃあ、お礼しとくわ。先払いで」

「え？」

「ん、」

「なに、これ」

樹から渡された小さな箱

「だから、お礼だって」

「お礼って、」

「うそ、魔除け」

「魔除け？」

増々意味が分からへん

「それつけといたら、余計なもん寄ってこねぇから」

「は？」

「学校以外ではつけとけよ。右に」

「右に？」

右につけるって、なんやろ

「じゃあ、ホテルこっちだから。またな」

「え、うん。なんか、ありがと」

「迷子なんなよ。おやすみ」

優しく笑った樹は俺の頭を撫でて、行ってしまった

ほんまに僅かな時間の再会
たったこの時間の為にここまで来てくれた樹の背中に、今度は俺が会いに行こうってそう決めた