関西Jr.になりました (ページ29)

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後輩ページ29

「ここどこやろ？」

大阪に来て早1週間
もうそろそろレッスン場まで1人で行けるはずと、意気込んで出発したらこれや

現在絶賛迷子中

「駅はあってるんやけどなぁ、おかしいなぁ」

スマホでナビ出すけど、ナビの言うてることがよく分からへん

「余裕もって出て来て良かった」

とりあえず時間はある
これは康二くんか丈くんにヘルプ出すしかないかなぁ……
申し訳ないけど……

「あの、」

うーん、と悩んでると声をかけられ振り返る

「あ、」

そこには関ジュの後輩・嶋﨑斗亜くんがいた

「嶋﨑くんや、おはよう」

「おはようございます！」

挨拶したらめっちゃ深いお辞儀を返された
礼儀正しいな

「嶋﨑くんもレッスン？」

「はい、あの…でも」

「ん？」

なんか言いにくそうに言葉詰まらせてる

「こっち、逆方向です……」

「えっ！ほんまに！？」

まさかの言葉にびっくりする
あぶな、真逆行くとこやった

「斗亜、あ、ちゃう、僕、あの、そこの本屋さん寄ってて、先輩のことたまたまみつけて、それで…」

なんで言い直したんやろ？
可愛いな

「俺のことみつけて声かけてくれたんや？ありがとう。助かった」

「いえ、」

嶋﨑くんと全然目ぇ合わへんねんけど
なに、この可愛い生き物

「もし良かったらなんやけど、レッスン場まで一緒に行ってくれへんかな？」

「僕で良かったら……」

「ありがとう！」

これで助けを呼ばんくて済む
後輩くんには迷惑かけるけど

「こっち、です」

嶋﨑くんと並んで歩き始める
ちっさいな、いくつやっけ？確か俺の3つ下？
ということは、次中2か

「嶋﨑くんは春休み明けたら2年生なるん？」

「はい、そうです」

「お互い学校始まるん嫌やなぁ」

「はい……斗亜、あんま勉強得意ちゃうから大変で……」

「そうなんやぁ」

「あっ！ちゃう、えっと、僕！！僕です！！」

「なんで言い直すん？」

「や、え、は、恥ずかしいから……」

そう言うと、真っ赤な顔してうつむいてしまった

嶋﨑くんは一人称が斗亜なんや
全然いいと思うけどな

「斗亜って、いい名前やね」

「え、」

「俺、嶋﨑くんの名前好きやけどな。可愛い」

「あ、りがとうございます」

「斗亜って、呼んでもいい？」

「え、あ、ど、どうぞ！なんでも、好きなように呼んでもらえたら…はい…」

めっちゃ緊張されてるなぁ
絶対あれや
末澤との一悶着のせいや
最早、末澤のせい