関西Jr.になりました (ページ20)

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大阪ページ20

北斗と事務所で遭遇してから数日、ついに大阪に引っ越す日がやって来た

双子の片割れに見送られ、新幹線でひとり大阪へと向かう

関ジュのみんなとは顔合わせからまだ会ってなくて、明日からレッスンに参加することになっていた

無事に新大阪駅に着いて、ここから新居に向かう訳なんやけど……

新大阪駅、広いねん

東京駅は兄がおったから余裕やったけど、ここでひとりはやばい

なんせ電車の乗り換えが分からへん
地下鉄やっけ？JRでも行けた？

マネージャーさんは新居で荷物の立ち合いしてくれてるから来てもらわれへんし、そもそもひとりで大丈夫って言うてしもたんよな

自分の大阪知らなさ加減なめてたわ
どうしよかな
駅員さんに聞いてけば大丈夫かな

途方に暮れてるとこに電話が入る

「え、康二くん？もしもしー」

電話をくれたのは関ジュの先輩、向井康二くん

「お、出た出た。着いたー？」

「うん、さっき着いたよ」

「今、何口おるん？」

「え、何口？」

「改札ー。どこの改札出たん？」

「え、どこやろ。ちょっと待って！」

自分がどこから出たか分からずに慌てて改札を確認する

「東口！」

「おっけ。すぐ行くわ」

「え？行くって？」

「近くおるから。そこで待ってて」

「え、」

プツっと電話を切られて、とりあえずこの場で待機する

なんで康二くんが来てくれるんやろ？

「あ、おった！Aー！」

不思議に思ってたら手を振りながら康二くん登場

「康二くん！なんで！？」

「今日ひとりで来るって聞いてさ、Aが方向音痴なん思い出したから」

「それでわざわざ来てくれたん？」

「教育係やからな、俺」

「ありがとう！めっちゃ助かる！」

途方に暮れてたから、康二くんの優しさが滲みる

「ひとりで行けるって言ったものの、どの電車なんかとか、どっから乗るかとか全く分からんくて」

「それでよぉひとりで行ける言うたな」

「大体で行けるかと思ってんけど」

「方向音痴の悪いとこやん」

「そこまで方向音痴ではないと思ってる」

「いや、結構な話聞いてるから」

「うそやん！」

「だから心配なったんよ。ほら、マネージャーさん待ってんねやろ？行こや」

康二くんは一体どんな方向音痴エピソードを聞いてるんやろ…

気にはなったけど、黙って康二くんの背中を追いかけた