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頭に残る北斗の手の感触に昔の記憶が蘇る
あの日から俺と北斗はあまり話さなくなった
気まずくて、それがなんか気恥ずかしくて
俺は北斗を避けたし、北斗も近付いて来ることはなかった
思春期なんて言葉を使ったら、年齢的に言ったら今やってそうなんかもしれんけど
あの事故から北斗を避けてしまったのは、間違いなく思春期だからやと思う
中2の時やしな
誰にも言ってない
俺の秘密の話
中2の夏、俺は北斗とキスをした
お互いの気持ちがあった訳でも、ましてや同意があった訳でもない
ほんまにただの事故
それやのに俺が子供すぎて気まずくなって、そこから北斗とは微妙な関係性になってしまった
情けないよな
北斗も大事な仲間やのに
「無理するな…か」
もっとちゃんと引き止めれば良かった
向こうでも頑張るから、心配ないからって、そう言えば良かった
ありがとうって、言えば良かった
見えなくなった北斗の背中を思い出し、胸の奥に寂しさが積もった
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作者名：Saya | 作成日時：2021年5月21日 12時
