☆１１ ページ11
ハァ、ハァ…ハァ…。
なんて、綺麗な息遣いじゃない。
もう鼻息ブーブー言わせて今日も寒空の下、俺は全速力で走ってる。
二日続けてはさすがにキツい。
とか、どうでもいい。昨日の騒ぎで忘れてた！
今日は金曜日じゃねぇか。
月曜と金曜の二回。智のお迎えに行くのは俺じゃない。
「……ハァ…。早く出ろよ……。」
呼び出し音がいつもよりスローに聞こえる程焦ってるらしい。
『はいはー…「今どこ！」
『な、何。もうすぐ家着くけど？』
「え？！何で…。」
『何で…って。今日早くに店閉めたから。たまにはサトも早く帰りたいかと思って。』
「バッカじゃねぇーの？もっと仕事しろよ！」
何で今日に限って……。てか、俺も忘れるとかなくない？俺のバカ野郎！
でも、昨日は俺も気が動転してて……なんて、走りながら息上がりながらあーでもないこーでもないとか考えてたら、電話の向こう側で笑い声が聞こえてくる。
『変な和ー。あ、着いたよ。じゃ、家で待ってるからねー。ん？サト？何してんの？誰もいないのにインターフォンなんか……。え……？』
もう声をかけてもうんともすんとも言わない。
あー！！もう！ありえねぇから！
今さら慌てて帰った所で一緒かもしんないけど。でも、一分一秒でも早く着かなきゃ気持ちが落ち着かない。
って事で、結局、今日もこの師走の街を走り抜ける俺がいる。
会わせたくない。
会って欲しくない。
Aじゃないのはわかってるけど、やっぱり嫌だ。
こんな事思うのおかしいよな？
彼女にAの姿を重ね見て、俺は一体どうしたいんだ？
うっすら滲む汗で、おでこに貼りついた前髪が視界を遮っているのも御構い無しに、時間を少し巻き戻せないものか……先に俺が家に着ける様に、なんて有り得ない事を考えながら走り続けた。
巻き戻したい時間は、本当は少しなんかじゃないけどね。
「……あ、そういや…。」
騙されてはなかった。って事だよな？家にいるって事は。
それかお金足りなかったかな？
でも下世話な話だけど。
金払って彼女がそこにいてくれんなら、払ってもいいかななんて思ってしまう俺は、やっぱり頭がおかしくなったしまったのかもしれないな。
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リュリュ(プロフ) - asamiさん» asamiさん☆こちらでもあちらでもありがとうございます！長い時間かけたにも関わらず、最後を見届けてもらえて嬉しいです！またいつか…☆本当にありがとうございました！ (2019年1月23日 21時) (
レス) id: 533f88702c (このIDを非表示/違反報告)
asami(プロフ) - お久しぶりです！待ってましたよ(^^)ありがとうございます！リュリュさんのお話大好きだから、これでおしまいだなんて寂しいです。。でも…また会えますよね？(^^)素敵なお話をありがとうございます！ (2019年1月23日 19時) (レス) id: d53227b1bf (このIDを非表示/違反報告)
リュリュ(プロフ) - うふさん» うふさん☆お返事遅くなりました。きゃー！涙雪！ありがとうございます。待っていてくださって嬉しいです。うふさんのコメントが優しさで溢れてて感激です。どうぞ最後までよろしくお願いします☆ (2018年5月30日 23時) (レス) id: 533f88702c (このIDを非表示/違反報告)
うふ(プロフ) - リュリュさんおかえりなさい！お休みされてる間も私の大好きな涙雪を何度も読んでは、リュリュさんのことお待ちしていました(^-^)優しさが溢れるようなリュリュさんの作品が大好きです。このお話も楽しみにしています！ (2018年5月29日 21時) (レス) id: 70c23ef30e (このIDを非表示/違反報告)
リュリュ(プロフ) - はるさん» はるさん☆読んで頂けるだけで嬉しいのに、コメントまで…。いつもありがとうございます(*^^*)またお会いできて嬉しいです。最後までよろしくお願いします！ (2018年5月28日 13時) (レス) id: 533f88702c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リュリュ
| 作成日時：2016年12月30日 0時
