第十九話 追跡劇〜トラゲイ連続殺人事件、その顛末4〜 ページ22
『マーロン・スプーン』と『クロックワーカーズ・ドール』。
二つの『大罪の器』を持った、アダムの焔は、ブランケンハイム邸の全てを燃やし尽くした。
家具も、壁も、天井も、なにもかも。
もはや骨組みだけとなった邸宅から、アダムは走り去っていった。もちろん、『大罪の器』と共に。
「くっ、熱っ。 って、あいつ逃げたわよ!!」
「エルルカ、追う?」
「当然でしょ!! ここにいたアダムなら、マルガリータの居場所も知ってるかもしれない!そして何よりーーー」
『大罪の器』を二つ、一気に手に入れられるチャンスだ。
二人の魔道師は、走った。アダムをひたすらに追いかける。
時には銃を撃ったり、風を巻き起こして足止めをしていたため、どうにか追い縋れた。
アダムは、追ってくる二人の魔道師を振り払うことを諦めたのだろうか。
『人形』を抱えたまま身を翻し、魔道師達と向き合った。
エルルカは急に立ち止まったアダムを見て、飛び掛かろうとするグーミリアを手で制止した。
ーーーなにか、くる。
エルルカからアダムまで、約5m。
アダムが、手のひらを前方に向ける。
エルルカはアダムから凄まじい熱気を感じた。気迫ではない。もっと、こう物理的に熱を感じる。
「またあの『蒼い焔』ね…』
龍だ。目の前に、焔で構成された巨大な、蒼い龍が現れた。
アダムが足止めのために放ったのだろう。
エルルカはこのどこまでも続くような蒼い怪物を見て、本来暑いはずなのに背筋が凍る思いをした。
「ったく…冗談きついわよアダム…」
第二十話 偽物の焔〜トラゲイ連続殺人事件、その顛末5〜→←第十八話 アダム=ムーンリット〜トラゲイ連続殺人事件、その顛末3〜
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雪兎(作者) - お久しぶりですー 私も勉強あってなかなか来れませんが頑張ります!お互いに受験など、頑張りましょう! (2015年7月7日 14時) (レス) id: d1230db64e (このIDを非表示/違反報告)
祀桜 - お久しぶりです。私もテストやら三者懇談やらで、かれこれ一か月ぶりに来ました。これからも更新頑張ってください! (2015年7月3日 17時) (レス) id: e3d128c88a (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(作者) - 『文章を上手く書く方法』で検索したら、いいページが出てきました。これを参考に精進していきたいと思います! (2015年7月2日 21時) (レス) id: d1230db64e (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(作者) - それにしても、自分の表現力のなさに辟易としてしまいます…どうすれば上手く書けるでしょうか? (2015年6月26日 21時) (レス) id: d1230db64e (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(作者) - おお、お気に入りにしていただいた方が三人も…嬉しい限りです! (2015年6月26日 21時) (レス) id: d1230db64e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪兎 | 作成日時:2014年12月26日 17時