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final. 君とふたりで ページ22
君を初めて知ったのは、生まれ育ったあの場所だった。
時折咳き込む君は、歌うことが大好きで。
そして、ここに住んでいるわけではなかったから。
だから、俺たちは約束をした。
とにかく有名になって、また会おうって。
そして、あのイベントの舞台袖。
大胆にカットしたイベントTシャツと、ふわっとしたチュールとレースのミニスカートを纏う君は、なんだか、別世界の人のようだった。
あの日確かに、俺は君に惚れていたんだ。
今、君は俺の隣で微笑んでいる。
あの日の約束を果たして。
「拓哉くん」
「A」
レトさんの家からの帰り道。
繋いだ手は、もう二度と離さない。
「これからも、ふたりで頑張ろうね」
「おう、ふたりでな」
きっと、どこまでも頑張って行ける気がする。
君とふたりで。
fin.
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作者名：咲希さん | 作成日時：2021年3月27日 10時
