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act 65. 緩む表情筋 ページ18

打ち合わせが終わったのは、16時37分。誤差の範囲内、大体予想通りだった。
手元の資料をリュックにしまい、打ち合わせをしていたオフィスを出る。

スマホを取り出すと、丁度Aから着信があった。

「もしもし、拓哉くん?」

「A! 打ち合わせどうだった?」

「うん、順調。だから今日も早く終わったし!」

「お疲れ様。俺絶対チケットとって見に行く」

「え? いや、チケットくらい確保しとくよ?」

「大丈夫! ちゃんと金払って見たいから」

「何それ」

イヤフォンの向こうから、Aの笑う声がする。

「あ、そうだ。今日大丈夫そう?」

「え?」

「あれ、見てない? 飯行こうってメッセージ送ったんだけど」

「あぁうん、大丈夫! だから電話したんだった」

俺たちは待ち合わせ場所を決めて、電話を切った。
久しぶりのA、浮かれているのが自分でも分かるほどだ。

電車に揺られて15分、目的地の改札口に、彼女はいた。
俺を見つけると、満面の笑みで手を振ってくれた。

「拓哉くん!」

「A、お待たせ」

久しぶりに見る彼女は、とても、とてもかわいくて。
俺は、緩む表情筋と格闘していたのだった。

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作者名:咲希さん | 作成日時:2021年3月27日 10時

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