【実況者】その夢は醒めないままで【ky】 (ページ11)

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episode9. ページ11

キヨさんがよく来るという、半個室の居酒屋で、私たちは向き合って座っていた。

キヨとまふまふさんが仲がいいことは、ファンなら誰でも知ってたから、あそこにいた事に関しては特に何も思わなかったけど、彼いわくほんとに偶然らしい。

「いや、顔出ししてるんだから普通にバレるでしょ」

そうバッサリと言うあかねに、私はオロオロとする。キヨさんにタメ口きくなんてどうかしてるぞこの女。

「まあその通りなんすけど……」

掘りごたつ式だと言うのに正座をして、うつむき加減に話すキヨ。なんか新鮮だな。

「お待たせしましたー」

そこに店員さんが来て、飲み物やら料理やらを並べていく。そう言えばお腹すいてたから頼んだんだった。

「すいません、ガッチさんの知り合いだから大丈夫かと思って、巻き込んじゃって……。俺出すんで、食べてください」

「えっ、いや、自分の分は流石に出しますから」

私がそう言う横で、あかねは遠慮なく、と食べ始めた。いやお前のメンタルどうなってんだ。

「いやいや、お詫びってことで」

キヨさんが笑って、さぁ！食べるぞ！と1人呟いた。有無を言わさないこの感じ、なんだか知っているキヨとは違うなぁなんて思いながら、私も箸を進めた。