電話 ページ3
携帯を耳に当てると、キヨの気だるそうな声が聞こえてきた。
『A？ ごめんなぁ、先に帰っちまって〜』
「ううん、大丈夫。具合悪くなっちゃったんでしょ？」
『え？ 違う違う。それはうっしーね。俺は終電とうっしーのお守り、なんつって』
「そうだったんだ、牛沢さんは大丈夫？」
『さっき家に返したとこ、そんなことより、A、帰れる？』
そう言われて、部屋の時計をみた。既に0時を回っていて、私の終電はなくなっていた。
「あっ……、やばい……」
『やっぱり。 全然起きなかったから置いてきたけど、飲ませすぎたわ』
キヨのため息が聞こえた。私も、飲みすぎたとすこし反省している。釣られて、ため息が零れた。
『まあ、ガッチさんの家でよかったよ。これで店締め出されました、とかだったらやばいし』
冗談まじりに笑うキヨ。私は全然良くないのだけれど。
『女の子が男の家に泊まるのはオススメ出来ないけど、今日は仕方ないよなぁ、うん、仕方ない、仕方ない』
「……キヨ、わざと置いていったでしょ」
『そんなことないしー！ べつに、Aとガッチさんが上手く行けばいいなぁー、なんて、そんなこと、ぜーんぜん考えてないしー！じゃ、素敵な夜を！ぐっばい！』
「あっ、キヨ！？ ちょっと……」
私の言葉も虚しく、電話は切れる。私は2度目のため息を吐くしかなかった。
「どうしたの？」
ガッチさんが私を見つめる。とても本人には言えなくて、何でもないです、そう言って携帯を置いた。
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咲希さん(プロフ) - ベルギーチョコさん» ベルギーチョコさん、ありがとうございます！昔に書いたものなので、変なとこもあったと思いますが、ほんとに嬉しいです！ (2022年1月17日 10時) (
レス) id: b98c56f2f0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルギーチョコ(プロフ) - 5回は読みました()gtmn推しなので嬉しいです！！素敵な作品をありがとうございました！ (2021年12月13日 5時) (レス) @page7 id: a8b18d6813 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲希さん | 作成日時：2020年2月27日 1時
