どっちも浮気性 (ページ20)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:28,433 hit

Secret20 ページ20

..

「もう、行くの？」

『うん。荷物は全部まとめたと思うけど、もしまた私のが出てきたら捨てちゃっていいからね』

「なんかそれ、ちょっと胸が痛むな笑」

切なそうにククッと笑ったテヒョン.

ちょっと冷たかったかな？

.

.

.

「ねぇ....最後にキスしていい？」

『え...？でも...』

「じゃあハグは？別れの挨拶みたいなもんじゃん。兄弟でもするよ」

『もう...笑わかったよ』

.

.

.

彼のハグを受け入れたら、

即座に後悔した。

予想以上に強く抱きしめられて、

その大きな体から、一瞬の内に彼の記憶が
まるでダムが崩壊したかのように流れ込む。

1年の月日がもたらした
嫌でも忘れることの無い
体に染み付いた無数の記憶。

.

.

.

『っ...』

これ以上は危険だと

脳がそれを否定した。

私は彼の胸元をギュッと押し返し

『元気でね、テヒョン』

そう言って背を向けた。

.

.

.

.

「A、次は幸せになれよ」

『うんっ...』

.

.

.

私は決して振り返らず

「帰る場所」だったそのドアを後ろ手に閉めた。

.

.

泣いちゃダメ。

せめて、この身体から

彼の匂いがなくなるまでは。

.

.

.

"김태형編、end"

.