俺、父親になります！ (ページ11)

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大樹 side.

「お待たせしました」

大樹「⋯⋯この子が、かえちゃん？」

「ふふっ、そうです。抱っこしますか？」

大樹「⋯⋯⋯⋯⋯いいの？」

Aちゃんに抱っこされてきた
もちもちしてふっくらした女の子

大樹「わ、かわいい⋯⋯⋯⋯⋯」

ないはずの母性が湧き出てきた気がする

「⋯申し訳ないとか思わないでくださいね」

大樹「え⋯⋯⋯⋯⋯？」

「大樹さんのおかげで決心できたんです
だから感謝してるんですよ、わたし」

大樹「⋯⋯⋯⋯⋯そんなこと、」

「だから謝らないでくださいね
あともう夏輝には会わないので」

大樹「ぇ⋯⋯⋯⋯？」

「安心してください
夏瑛はわたしが育てるので
夏輝に頼るつもりはないです」

なんで母親ってこんなにも強くなれるんだろう

「⋯⋯夏輝の夢がわたしの夢なんです」

俺はなんてことをしたんだろうってひどく後悔した

「そろそろいいですか？」

大樹「あ、うん、ごめんね」

「身体には気をつけてくださいね」

自分の方が大変なはずなのに
俺の心配までしてくれて、
ようやくわかったんだ。

澤がAちゃんを必要としてるってことに。
澤にはきっとこの子がいなきゃだめなんだ