【ナンバカ】今会いに行きます【ムサシ】 (ページ7)

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過去編５ページ7

ムサシside

気がつくと真っ白い天井が見えた

自分でも何が起こったか分からなかった

ただ1つこれだけは覚えてる

Aちゃんが必死になって俺から出ている火を消そうとしてた

俺のこの熱を太陽みたいで好きって言ってくれたのに、その瞬間このザマだよ

凄く驚いただろうな、軽蔑されたりしてたらどうしよう

いや、きっとしてるだろうな...気味が悪いって、もう近づいてくれないかもしれない

『人体...発火...？』

｢何の原因もなしに突然人の身体から炎が吹き出す現象の事です。｣

ムサ母｢うちの子は大丈夫なんですか？！｣

｢ええ。大抵は一瞬で燃えて死亡する場合が多いのですが、彼の場合全身焼けているにもかかわらず生きているのは奇跡としか言いようがありません｣

ドアの向こうからAちゃんと母さんの声が聞こえた

俺も黙って医者の説明に耳を傾ける

｢しかし残念ながら人体発火については正確な原因が解明されていないので明確な処置もできません｣

｢そしてこの現象が１回だけとも言いきれないかと...｣

ムサ母｢そんな...！｣

そう、か。これがまた何回も来るのか...。
俺は言いしれない不安と恐怖に襲われた

しばらくしてドアが開き、Aちゃんと目があった

『！！...っムサシ先輩ぃぃぃ。良がっだァァァ』

俺の所に来て泣き続ける彼女に驚いた

気味悪がる所か心配してくれてる

それがどうしようもなく嬉しくて改めてこの子が好きなんだと自覚させられる

それと同時に、この先何があっても彼女を守ると心に決めた

とりあえず泣きじゃくるAちゃんに、包帯ぐるぐる巻きになった手でぎこちないながらも頭を撫でた

両親もこんな《異常》な俺に、とても優しく何時でも笑ってくれていた

こんな状態だったけど本当に幸せだったし、この先も頑張って生きようと思った

そう、あの時が来るまでは...